【今週の振り返り】週初の大幅安を「倍返し」して724円上昇の週

2016年04月23日 20:34

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月曜の572円安の翌日は598円高。ボロボロ売られても、明日は明日の風が吹く。と、切り換えが早いのが今のマーケット。あとは4日続伸、1296円上昇で「倍返し」。

 NY州の民主党予備選挙はクリントン氏が大勝の勢い。上海は下落幅を2%以上に拡大して大幅安で午前の取引を終了。後場の日経平均は16904円で再開し、0時台に16900円を割り込んでマイナスにタッチ。0時58分に16870円まで下げる。円高が進行しドル円108円台では致し方なし。1時台はプラスに戻っておおむね16900円台前半で小動き。再開した上海市場は軟調で、安値を更新して下落幅が3%を超える。安倍首相が震災復旧、景気対策を優先して衆参同日選挙を見送るという報道が入ったが、消費増税に言及がないためかマーケットは反応しない。円高は止まらず、2時台後半には16900円をたびたび割り込みかろうじてプラス圏。ここで三菱自動車<7211>にスキャンダルが勃発してストップ安。燃費のデータをごまかしたという。フォルクスワーゲンがごまかしたのは排ガスのデータ。上海の下落幅は4%を超えたが日経平均は終盤マイナスになることもなく、32円高の16906円で終えて続伸した。TOPIXもプラスだったが、気分的には「負け」。

 前日に東証マザーズに新規上場し初値がつかなかったグローバルウェイ<3936>に後場ようやく初値がついた。公開価格2960円に対し4.72倍の14000円という殊勲賞。「キャリコネ」の知名度も貢献したようだ。

 日経平均終値は32.10円高の16906.54円、TOPIX終値は+2.75の1365.78。売買高は20億株、売買代金は2兆2393億円。値上がり銘柄数834より値下がり銘柄数993のほうが多い。プラスは23業種で、その上位は石油・石炭、鉱業、その他金融、海運、不動産、電気機器など。マイナスは10業種で、その下位はゴム製品、空運、輸送用機器、保険、パルプ・紙、情報・通信など。上海総合指数は終盤に下げ幅を圧縮して2.30%安だった。

 21日の日経平均は大幅3日続伸。ヨーロッパ市場は揃って続伸し、FT100指数、DAX指数は連日の年初来高値更新。前日のインテルの決算は増収増益。コカ・コーラの決算は減収減益でもEPSは市場予測を上回り、中古住宅販売件数は+5.1%と好調。原油先物価格はクウェートのスト解除で一時40ドルを割ったが午後に持ち直し終値42ドル台。好材料が揃ってNYダウ終値は42ドル高で3日続伸した。独禁法違反でグーグルがEUから警告を受けてアルファベットが売られてもNASDAQ、S&P500ともに上昇。朝方の為替レートは、ドル円は109円台後半で110円に接近。ユーロ円は124円近辺。CME先物清算値は17235円だった。

 前日、政府観光庁から発表された3月の訪日外国人客数は31.7%増で、初めて200万人を突破し過去最高。1~3月期の訪日外国人の旅行消費総額は32%増でインバウンド消費はいまだ健在。しかし熊本地震で4月はどうなるか不透明。3月のコンビニエンスストア売上高は既存店ベースでは微減で、12ヵ月ぶりのマイナスになっていた。

 「円安は全てを癒す」で日経平均は280円高の17187円で始まり、日足一目均衡表の雲の上に飛び出す。TOPIXは1380台で開始。ファーストリテイリング<9983>に値がつくと17200円台にポンと上がり、9時10分には17265円まで上昇して終値ベースの3月高値17233円(3月14日)を上回る。9時台は17200円台前半で推移。10時台はドル円が少し円高に振れたため日経平均もやや値を下げて17200円を割り込む時間帯もあったが、それでも300円高前後の大幅高で安定する。前日大幅安の上海市場がマイナスで始まりながらも下げ幅を圧縮すると、日経平均は17250円付近に水準を上げる。しかし高値は取れない。少し下げて前引けは329円高の17236円だった。渦中の三菱自動車はストップ安。企業倫理にうるさくなっているので、機関投資家は不祥事が起きた銘柄はすぐに手放してしまう。

 上海はプラスに転じて午前の取引を終える。後場の日経平均は前引けより高く再開してどんどん上値追い。ドル円は109円台後半で動いていないので、多分に売り方のカラ売りの「踏み上げ」の要素あり。3月14日のザラ場高値17291円も上に抜いて17300円を突破し、まるで年明け以来の軟調相場を「春の大掃除」するかのように高値を取っていく。日足一目均衡表の雲の上はいつも青空。0時57分には17381円まで上昇するが、1時台は17300円台で値動きが小さくなる。

 3月の食品スーパー売上高が発表され、既存店ベース+1.1%で12ヵ月連続のプラス。2015年度はトータル+2.3%で、不振をきわめるGMS(大型小売店舗)を尻目にすこぶる元気。そのGMSが含まれる日本チェーンストア協会の全国スーパー売上高は、3月は既存店ベース-0.3%で4ヵ月ぶりのマイナス。寒の戻りが影響して春物衣料が苦戦した。2015年度トータルでは+2.1%で2年ぶりのプラス。上海市場はプラスで再開するが上げ幅をどんどん縮小しマイナスに転落。2時台の日経平均も17300円近辺まで下げ、なぜか上海に連動。それでも17300円台は維持し、終盤再び17400円に迫り終値は457円高の17363円で3日続伸。終値で日足一目均衡表の雲の上に出たのは昨年12月18日以来4ヵ月ぶり。そこは「約束の地」なのだろうか? 日経平均先物日中取引は高値引け。三菱自動車はストップ安比例配分だった。

 新規IPOが1件。食品スーパー「ジャパンミート生鮮館」「ジャパンミート卸売市場」「パワーマート」、業務スーパー「肉のハナマサ」、焼肉レストラン「焼肉や漫遊亭」などを運営するジャパンミート<3539>が東証2部に新規上場。9時ちょうどに公開価格1010円より2.9%だけ高い1040円の初値がついた。2部新規上場は過去の成績が悪いがなんとか白星。これで4月の5件の新規IPOは全て終了し、5勝0敗で全勝。2月24日に始まった「春のIPOまつり」28件の成績は21勝6敗1引き分けで勝率は7割5分だった。次の新規IPOは6月以降まで間があく。

 日経平均終値は457.08円高の17363.62円、TOPIX終値は+27.90の1393.68。売買高は22億株、売買代金は2兆4742億円。値上がり銘柄数は1753、値下がり銘柄数は149の全面高。全33業種がプラスで、上位は鉱業、不動産、海運、非鉄金属、証券、保険など。上海総合指数はプラスとマイナスの間でロデオのように乱高下して0.66%安だった。