【今週の振り返り】週初の大幅安を「倍返し」して724円上昇の週

2016年04月23日 20:34

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月曜の572円安の翌日は598円高。ボロボロ売られても、明日は明日の風が吹く。と、切り換えが早いのが今のマーケット。あとは4日続伸、1296円上昇で「倍返し」。

 22日の日経平均は大幅高で4日続伸。ECB(欧州中央銀行)理事会の結果は金融政策現状維持。ドラギ総裁が記者会見で「必要に応じてあらゆる手段を講じる用意がある」と緩和限界説を否定したが、それは黒田日銀総裁もたびたび言っていること。ヨーロッパ市場はドイツ以外は小幅に下落した。新規失業保険申請件数は改善したがフィラデルフィア連銀製造業景況指数は-1.6%で予想外のマイナス。GMは好決算だったが、ベライゾン、ユナイテッド・コンチネンタルの決算は4~6月期の見通しが悪く、限月が改まった原油先物価格は一時の44ドル台から43ドル台に下がる。悪い数字が重なりNYダウは午前も午後もズルズル下げ続け、終値は113ドル安の3ケタ下落で18000ドルの大台を守れず。NASDAQ、S&P500は小幅安。朝方の為替レートはドル円が109円台半ば、ユーロ円が123円台半ば。CME先物清算値は17235円だった。

 前日に政府が発表した4月の月例経済報告は、国内景気の基調判断は「このところ弱さもみられるが緩やかな回復基調が続いている」で据え置き。熊本地震には「留意が必要」とし、企業の業況判断は「慎重さがみられる」に下方修正した。マイクロソフトの決算は減収減益、グーグルが属するアルファベットの決算は増収増益。しかし両銘柄ともEPSが市場予測を下回ったため時間外取引で下落し、シンガポールSGXの日経平均先物も下落した。

 日経平均は143円安の17220円で始まる。9時3分にいったん17200円を割って17192円の安値をつけた後、急上昇して17300円を突破。9時発表の2月の毎月勤労統計確報値は、速報値と比べ実質賃金指数、1人あたり平均現金給与総額(名目賃金)は下方修正。所定内給与の伸びは変わらなかった。9時台は17300円付近でもみあっていたが、10時を回ると為替が少し円高に振れたのに反応して17250円付近まで下げる。上海市場はマイナスで始まり下げ幅を圧縮する展開。為替も円安方向に反転し、日経平均も10時台後半は再び17300円を超え、上海がプラスに浮上した11時台には一時プラスに浮上。11時23分に17383円まで上昇した。前引けは16円安の17347円。TOPIXは1390台で前場を終えた。

 上海はマイナスに落ち下げ幅を拡大して午前の取引を終了。後場の日経平均は下げ幅を拡大して始まるが17300円台はキープ。しかし1時台はそれをたびたび割り込むようになる。1時30分に2月の第三次産業活動指数が発表され、前月比-0.1%で2ヵ月ぶりのマイナス。経済産業省の基調判断は「一進一退ながら一部に弱さがみられる」で据え置き。大幅上昇後の利食い売りでこの日は小幅安で一服、という空気が支配的だった。

 ところがマーケットでは同時刻、それを忘れさせるようなポジティブ要素が出現した。ブルームバーグが来週の日銀会合について、日銀が当座預金だけでなく「金融機関向けの貸出にもマイナス金利の適用を検討」という報道。一斉にリスクオンし、ドル円は109円台前半から一気に110円を突破。日経平均は先物主導でマイナスからプラスに急浮上し、19400円を一気に抜いて19500円台に乗せる。上昇幅は200円に迫り、TOPIXは1400台に乗せる。2時に再開した上海市場はマイナスだが下げ幅を徐々に圧縮。利益確定売りの金曜日でもあり2時台に17400円を下回る時間帯があったが、その後は再び力強い上値追いで17500円台に復帰。ドル円が110円台半ばまで円安が進行したので、終盤も上昇の勢いが衰えないまま高値引けで終了。大幅4日続伸。TOPIXもほぼ高値引けだった。観測記事で大幅高したので、日銀会合の結果が発表された後の28日後場が今から怖い。

 日経平均終値は208.87円高の17572.49円、TOPIX終値は+13.82の1407.50。売買高は30億株、売買代金は2兆7889億円で最近にしては商い活発。後場の買いが先物主導で金融セクターや主力銘柄に偏ったので値上がり銘柄数1175に対し値下がり銘柄数は637と意外に多い。プラスは27業種で、その上位は銀行、証券、海運、不動産、鉄鋼、保険など。マイナスは電気・ガス、その他製品、小売、食料品、空運、水産・農林の6業種だった。上海総合指数は終盤プラスに変わり0.21%高だった

 今週の星取は4勝1敗。前週末15日の終値16848.03円から724.46円上昇して今週の取引を終えた。月曜日に572円安でやられたら、やり返す。その後の1296円上昇できっちり「倍返し」した。(編集担当:寺尾淳)