中国人観光客の「爆買い」などで話題のインバウンド。日本政府観光局の発表では、2016年3月の訪日外客数は、前年同月を31.7%増となる200万9500人。月としての過去最高を記録している。また、単月でも、2015年7月の191万8千人を上回る数値となった。インバウンド消費が拡大するにつれ、日本国内でも連日満室が続いている宿泊施設も多く、日本全国で宿泊予約がとりにくい状況が続いている。
日本百貨店協会によると、インバウンド消費がとくに大きく膨れ上がったのは2014年の10月以降で、年間の訪日外国人売上高も前年から倍増していたことに加え、この時、免税対象範囲が拡大したことも大きな要因に挙げている。訪日外国人による売上高が単月で初めて100億円を突破し、2009年の統計開始以来の快挙となった。
東京に次いで訪日外国人客が多いのが大阪だ。大阪のランドマークでもある道頓堀を歩くと、外国人客の多さに驚く。日本人の買い物客よりも断然多いのだ。
大阪人気は急激に高まっており、宿泊仲介ウェブサイト大手のAirbnbが1月に発表した「春節旅行者が選ぶ世界人気都市」ランキングでも、東京や京都をおさえて大阪が第1位に選ばれている。実際、関西国際空港でも、2015年の国際線外国人旅客数で初の1000万人を記録している。大阪市此花区のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」にも連日大勢の訪日外国人ゲストが訪れており、同パークの独自調査によると、2016年2月現在で前年比185%の来場者数を記録した。
さらに、「梅田スカイビル(大阪市北区大淀中)」も2008年にイギリスのタイムズ紙が「世界を代表する20の建造物」をきっかけに外国人観光客への認知度と人気が高まり、開業23年目にして、これまで最高だった開業翌年の記録を大幅に塗り替え、2016年1月までの1年間で121万8000人が「空中庭園展望台」に来場。その約半数を外国人観光客が占めているという。
このインバウンド消費はどこまで続くのかという声もあるが、2016年も増加傾向にあるという見方が大勢だ。中国人の「爆買い」はともかく、台湾や韓国からの訪日客も増えており、2020年の東京オリンピックを控えて、非常に良い傾向であることは間違いないだろう。(編集担当:藤原伊織)