「ニッポン一億総活躍プラン」月内に閣議決定へ

2016年05月19日 07:42

 安倍晋三総理は18日開いた一億総活躍国民会議で『ニッポン一億総活躍プラン案』を決定したことを受け、加藤勝信・一億総活躍担当大臣に対し「今日の国民会議案について、与党と議論を進め、月内に閣議決定できるよう、関係大臣と協力して作業を進めるように」と指示した。31日に閣議決定したい意向だ。

 安倍総理は「43のテーマについて具体的に示した。国民生活での課題と方向性、対応策について分かり易く示し、対応策では工程的なものまで書き込んでいる案となった」とし「批判する人はしっかりと読んでから批判していただきたい」と早速に、けん制もした。

 安倍総理はプランが実効を上げることこそ重要との考えから、国民会議の有識者にはフォローアップ会合のメンバーとして、政策結果と方向性のフォローアップを引き続き願いたいとした。正規社員と非正規社員との賃金格差問題では現行4割の賃金差を「2割程度に縮小する」とした。また、最低賃金について、時給1000円(全国平均)を目標にした。

 また、奨学金制度については「制度を拡充する」と盛り込んだ。具体には「希望すれば誰もが大学や専修学校などに進学できるよう、安定財源を確保しつつ、制度の拡充を図る」とし、(1)無利子奨学金は残存適格者を解消し、低所得世帯の子どもに係る成績基準を大幅に緩和することで、必要とするすべての子どもが受給できるようにする。

 (2)給付型奨学金は世代内の公平性、財源などの課題を踏まえ検討をすすめ、本当に厳しい状況にある子どもたちへの給付型支援の拡充を図る。

 (3)奨学金の返還については卒業後の年収が300万円以下の場合、10年間の返還猶予が適用され、さらに、申込時の家計支持者の世帯年収が300万円以下で卒業後の本人の収入が300万円以下の場合には無期限返還猶予が適用される制度のあることの周知徹底を図る。

 このほか、社会に出て後の所得に応じ、返還額を変化させる新たな『所得連動返還型奨学金制度』を平成29年度の進学者から速やかに導入し、大幅な負担軽減を図る、などとしている。(編集担当:森高龍二)