16日の日経平均は反発。ヨーロッパ市場は揃って反発したが、前週末13日のNYダウは185ドル安。注目の小売売上高は+1.3%で市場予測を大きく上回り、2015年3月以来の高い伸び。自動車販売やネット通販が好調で、原油価格の下げ止まりも好影響を及ぼした。ミシガン大学消費者態度指数速報値も95.8で市場予測を上回った。しかしそれとは裏腹に百貨店大手のノードストローム、JCペニーの決算、業績見通しがふるわず、ダウの足を引っ張った。卸売物価指数(PPI)は3カ月ぶりの0.2%上昇だが市場予測は下回った。原油先物価格は4日ぶりに反落。CME先物清算値は16390円。
14日に発表された中国の工業生産高は+6.0%、小売売上高は+10.1%でともに伸び率低下。中国固定資産投資は+10.5%だが民間は+5.2%と弱い。不動産開発投資は+55.9%だが地域差が激しい。為替のドル円は13日のロンドン時間に109円台にタッチしたが、16日朝方の為替レートはドル円が108円台半ば、ユーロ円が122円台後半。
「安倍首相が2017年4月の消費税率の10%への引き上げを再延期する方針を固めた」という報道が流れた。取引時間前に発表された4月の企業物価指数は-4.2%で、市場予測の-3.7%よりも悪かった。日経平均は20円安の16391円で始まる。TOPIXもマイナス。ところが、始値を「寄り安」にすぐプラスに転じ、9時台のうちに16400円も16500円も16600円も突破し、10時1分に16629円まで上昇する。為替のドル円も円安進行。13日がピークだった3月期決算の業績見通し悪化を織り込んでも、「消費増税先送り」という政策ニュースに打ち消されてスルスル上がった。しかしそれは報道ベースで、安倍首相自身の発言ではない。菅官房長官は「よほどのことがない限り消費増税は予定通り実施する」。10時台は日経平均は16600円付近、為替のドル円は109円手前で膠着する。上海市場は開始後いきなり乱高下。マイナスで始まりプラスにタッチした直後に急落して安値更新。しかし日経平均は意に介さず16600円手前で小動きを続ける。上海は小幅安。そのまま前場を終了し前引けは16583円だった。
昼休み中に為替のドル円が109円に急接近し、日経平均先物は一段高。上海は小幅プラスに変わって午前の取引を終えた。日経平均は少し上昇し16600円台に乗せて再開。1時ちょうどに16632円の高値をつける。1時30分すぎまで前日比200円高前後、16600円台前半の水準を維持するが、1時台後半から為替の円高反転に伴って先物主導でズルズルと下落。2時台には16500円を割り込んで瞬間マイナスになる。根拠が薄い政策期待の天ぷらの衣がはげ落ちた。上海市場は小幅プラスで再開しほぼ横ばい。それでも終盤は16400円台後半に戻し、終値は54円高の16466円だった。天かすの分だけプラス。
日経平均終値は54.19円高の16466.40円、TOPIX終値は+1.46の1321.65。売買高は19億株、売買代金は1兆9332億円と20億株、2兆円を割る薄商い。値上がり銘柄数は742、値下がり銘柄数は1099。プラスは17業種で、その上位は非鉄金属、機械、鉄鋼、化学工業、電気機器、その他製品など。マイナスは16業種で、その下位はゴム製品、石油・石炭、空運、電気・ガス、医薬品、その他製品など。上海総合指数は終盤に上昇幅を拡大して0.84%高で終えた。
17日の日経平均は大幅続伸。フランクフルト市場は復活祭の50日後、昇天祭の10日後の聖霊降臨祭(五旬節/ペンテコステ)翌日の月曜日で休場。フランスは下落、FTSE500は上昇。NY連銀製造業景況指数は-0.92で3ヵ月ぶりのマイナスになり予想外の大幅悪化。グーグルに6月、過去最高額の制裁金が課されるという報道もあった。しかしゴールドマンサックスがカナダの山火事、ナイジェリアの政情不安を理由に2016年下半期の原油価格見通しを1バレル50ドルに上方修正し、原油先物価格は終値47ドル台で半年ぶりの高値をマーク。有名投資家のウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイがアップル株を3月末時点で981万株初取得していたニュースでアップルの株価は3.7%上昇。好材料が悪材料に打ち勝ってリスクオンし、週明けのNYダウはプラス圏で上昇幅を拡大し終値は175ドル高と反発。NASDAQ、S&P500は4営業日ぶりに反発した。朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が123円台前半で円安が進行。CME先物清算値は16610円。
日経平均は152円高の16618円で始まる。TOPIXは1330台でスタート。9時6分に16649円の高値をつけた後、序盤はプラス幅をどんどん圧縮。16600円を割り込み、9時46分の16509円まで140円も下げる。為替のドル円が109円を割り込んだため。10時台になると逆にドル円が109円台に戻って16600円台を回復する。為替レート次第で右往左往する。上海市場は前日終値をはさんで「桂林の山」のような乱高下を繰り返した末にマイナス圏に沈下するが、日経平均は薄商いの中、16600円をはさんだ安定した小動きが続く。前引けは148円高の16615円だった。
上海はマイナスのまま午前の取引を終了。後場の日経平均は16600円を割り込んで再開するが、すぐ16600円台を回復する。その後は16600円をはさんだ小動きが2時台前半まで延々続く。1時30分に発表された3月の鉱工業生産指数確報値は前月比+3.8%の96.7で速報値を上方修正。稼働率指数は+3.2%の97.5。上海市場はマイナスのまま再開するが、上昇してプラスにタッチ。為替のドル円も2時台後半には109円台に乗せる。日経平均は終盤16650円にタッチし、大引け直前には16655円の高値を更新し、終値は186円高の16652円。TOPIXもほぼ高値引け、日経平均先物日中取引は高値引けだった。25日線が75日線にあと14円まで迫り「ゴールデンクロス」寸前。下にある日足一目均衡表の「雲」が18日と19日の間でねじれを起こすので「変化の予感」あり。
日経平均終値は186.40円高の16652.80円、TOPIX終値は+14.20の1335.85。売買高は17億株、売買代金は1兆8988億円で、翌日のGDP速報値を気にした買い手控えで兜町に響け閑古鳥の東京の合唱(コーラス)。値上がり銘柄数は1505、値下がり銘柄数は350。プラスは32業種で、その上位は海運、鉱業、電気・ガス、証券、倉庫、鉄鋼など。マイナスは情報・通信1業種だけだった。上海総合指数は最後まで乱高下やまず、結局0.25%安だった。
18日の日経平均は3日ぶり反落。ヨーロッパ市場はロンドンは上昇、ユーロ圏はギリシャ問題再燃で下落。アメリカの重要経済指標の発表が相次ぎ、住宅着工件数は+6.6%、住宅着工許可件数は+3.6%、消費者物価指数(CPI)は+0.4%で、+8.1%のガソリンに引っ張られ2013年2月以来の高い伸び。鉱工業生産指数は+0.7%で3ヵ月ぶりのプラス、設備稼働率は75.4%で、ともに市場予測を上回った。好調な数字が並んでも「利上げ」という魔女がいるため「良いは悪い、悪いは良い」で株価が下がってしまう。
その魔女についてサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は「6月のFOMCで利上げの議論があると想定」「年内2、3回の利上げがありうる」、アトランタ連銀のロックハート総裁は「6月の利上げを排除しない」、ダラス連銀のカプラン総裁は「アメリカ経済はそれほど遠くない将来の利上げが正当化されるほど力強くなっている」と揃ってコメントし早期利上げ観測が再燃。原油先物価格は終値で48ドル台に乗せたがNYダウは一時200ドルを超える下げを喫し、終値は180ドル安だった。朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が123円台前半。CME先物清算値は16555円。