【今週の振り返り】リスク回避の円高を受けて1001円下落した週

2016年06月18日 20:27

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3月15日ではなく、6月23日に気をつけろ。英国のリスクを恐れ、世界最大の下落幅。東京市場という名の悲劇は、いつ幕を引く?「『今が最悪の状態』と言える間は、まだ最悪の状態ではない」(『リア王』)

 日経平均は197円高の15631円で始まる。TOPIXもプラス。悲劇のヒロインがリスクオフの地球周回を止めた。コックス下院議員はその命と引き換えに世界経済と欧州連合の危機を救ったジャンヌ・ダルクとして語り継がれるのだろうか? 序盤は「寄り安」で上昇し、プラス幅が200円を超える15700円前後で動き、ドル円レートが105円に接近した10時9分には15774円まで上昇するが、為替が少し反転した10時台後半には15700円割れ。上海市場もプラスで始まって上げ幅を拡大。闇夜は抜けたか? しかし10時台後半からは15700円にタッチしても定着はできず、上値が重い。10時52分には一時15614円まで下落した。11時台は15700円の少し下の水準まで戻り、前引けは251円高の15685円。

 上海はプラス圏を安定的に維持し午前の取引を終える。後場の日経平均は15700円台を回復して始まるが、為替レートの104円台前半への円高進行に伴って上げ幅圧縮。1時台は15600円台前半を保ったが、2時台はたびたび割り込み、2時8分に15582円まで下落する。それでも前日終値から100円以上高い水準。再開した上海市場はプラスを維持。日経平均は15600円前後のもみあいが続くが、為替が少し円安に戻しても利益確定売りの金曜日で、終盤の最後の最後に15600円を割り込んで165円高の15599円で終えた。それでも反発は反発。

 新規IPOが1件。広島県三原市が本社のやまみ<2820>がジャスダックに新規上場。豆腐など大豆製品を製造、販売する。公開価格1690円より3.6%高い1751円の初値がついた。業種が地味なので初値をかろうじて上回ったが、IPO再開後4件連続の白星。

 日経平均終値は165.52円高の15599.66円、TOPIX終値は+9.27の1250.83。売買高は23億株、売買代金は2兆4744億円と大台の商いが戻った。値上がり銘柄数は1324、値下がり銘柄数は552。プラスは28業種で、その上位はトヨタ<7203>が大幅高だった輸送用機器、鉱業、ガラス・土石、機械、非鉄金属、鉄鋼など。マイナスは陸運、水産・農林、不動産、食料品、小売の5業種。上海総合指数は最後までプラスを維持し0.42%高。

 今週の星取は2勝3敗。前週末10日の終値16601.36円から1001.70円下落して今週の取引を終えた。週間騰落は3週連続の下落。4ケタ安は2月5~12日の週以来だった。(編集担当:寺尾淳)