財務省は農水省の水田活用直接支払交付金(主食用米需要の減少に応じ主食用米以外の作付けを促すため、主食用米以外の作付面積に応じ生産者に支払う交付金)の制度について「米の生産ができない農地や米以外の生産が継続している農地を交付対象から除外すべき」と改善を求めた。この事業には27年度2770億円、28年度に3000億円が充てられている。
事業の必要性や有効性を検証している財務省は、この制度を調べた結果「水田機能を失っている農地や経営判断として米の生産を再開するとは考えにくい農地にも交付金が交付されている事例があった」と指摘した。
また産地交付金について「財政支援に依存する営農を温存する配分や交付せずとも営農を継続できる場合でも交付している事例が少なくない」などと問題点をあげた。
そのうえで、財務省は「飼料用米への支援は、多収品種を基本とし、食料・農業・農村基本計画等の目標に向けた生産性 の大幅な向上が見込まれる場合に限定するとともに、標準的な交付額を適用する単収を、単収向 上のインセンティブを十分確保するよう継続的 に更新すべき」とした。
また、産地交付金についても「水田農業の収益力向上と財政支援への依存からの脱却を促すような交付の仕組みに改めるべき」としている。(編集担当:森高龍二)