【今週の展望】本当は怖い、指標もイベントも少ない狭間の週

2016年07月10日 20:08

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雇用統計でNYダウは大幅高でも依然、円高。参議院選挙の結果はすでに織り込み済み。LINE上場の夏祭りも主力銘柄には影響せず、材料が為替レート一本槍の週になりそう。

 参議院選挙は、10日の午後8時の投票終了と同時に、テレビの選挙特番で出口調査を根拠に「与党圧勝」と報じられてもすでに織り込み済みで、好材料にならない。15日のLINE新規上場でお祭り騒ぎが起きても、「新人さん」の話で主力銘柄までいい影響が出るとは考えにくい。15日はアメリカでは経済指標ラッシュだが東京市場が今週の取引を終えた後で、その日の午前に出る中国の経済指標はとても期待できない。

 今週は国内外の経済指標やイベントが少なくなる分、為替レートの影響力が強くなりそうで、ドル円が100円台でくすぶっていると、海外の金融不安やテロなど何か悪材料をきっかけに日経平均が心理的節目の15000円付近まで押し下げられる局面もあるだろう。

 ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは15000~15850円とみる。

 前週はイタリア・シエナの銀行の問題が波及して東京市場まで軟調になったが、「シエナ」がどんな町なのか知っている日本人は世界遺産を訪ね歩く海外旅行好きか、ワイン通ぐらいだろう。金融経済のグローバル化で、地球の裏側の名も知らぬ町の出来事の悪影響が、アッという間に自分の身にふりかかる。(編集担当:寺尾淳)