野田佳彦前総理は安倍晋三総理に中国で来月開かれる主要20か国首脳会議(G20)で、南シナ海での国際法遵守を訴えるようブログに書き込んだ。「自国の領土や領海についてはきっちりと理論武装しておくべき」とし「世界の紛争の平和的解決に当たっては国際司法機関の果たす機能を重視した外交姿勢を貫かなければならない」と国際法遵守を強く訴えるよう求めている。
野田前総理は「国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所がフィリピンの提訴を受け、南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶという中国の独善的な主張に法的根拠がないと断定した。同海域において人工島での施設建設や軍事拠点化を進めてきた中国にとって大きな打撃だったと思う」とし「中国の報道官がこの判決を『紙くず』と品位に欠ける感情的な表現をしたのも、衝撃と焦りの表われ」と書き込んだ。
野田前総理は「平和を守り、国民の安全を保障すること、国の主権、領土、領海を守ることは国家としての当然の責務。一方、グローバル化が進む今、国際社会の直面する問題はますます複雑化し、国家間の関係が緊張する事態も生じている。こうした時代においてこそ、世界の平和と安定、繁栄の基礎となる『法の支配』を確立すべき」と提起している。(編集担当:森高龍二)