違法伐採は遺憾だが、工事は進める 稲田防衛相

2016年08月06日 12:13

 沖縄・米軍北部訓練場(東村、国頭=くにがみ=村)でのヘリパッド建設をめぐり、沖縄防衛局が違法に立木を伐採していたことが分かったが、稲田朋美防衛大臣は5日の記者会見でこの問題について「立木伐採の必要が生じた箇所ごとに、沖縄森林管理署長と協議をしていたが、一部で協議を行うことなく立木を伐採していたということは、あってはならない遺憾なことだというふうに思っている」とした。

一方「工事については、こういったことがないよう注意しながら、事業を進めていく必要がある」と予定通り、ヘリパッド4基建設を進める考えを示した。

 社民党の照屋寛徳衆院議員(沖縄選出)、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員(同)ら超党派の国会議員調査団は5日、那覇市内で林野庁、環境省からヒアリングを行った。

 照屋衆院議員はヒアリングの場で「林野庁沖縄森林管理署の清水俊二署長に対し、署長が有する司法警察権に基づいて適切に権限を行使し、厳重な処罰と速やかな『原状回復』措置命令を発するよう強く要求した」とブログに掲載。

 また予想される旧林道の形状変更も勝手にさせないよう監視強化も求めたとしている。照屋議員は「国家権力を総動員しての違法・不当な米軍ヘリパッド建設は即刻中止すべき」と訴える。

 この地域へのヘリパッド建設を巡っては150を超える市民団体、30カ国以上のNGOから「世界的な生物多様性保全のうえでも重要な地域」と建設中止を求める声があがっており、沖縄県議会も一端中止を求めている。工事を一端中止し地元の理解を得る努力が政府に求められている。(編集担当:森高龍二)