子育て支援などの質問に人工知能が回答 政府が16年度中に実証実験

2016年08月10日 07:33

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政府は子育て支援や町おこしといった地域課題に関する問い合わせに、人工知能が回答するサービスを企業か向けに開始する。

 政府は子育て支援や町おこしといった地域課題に関する問い合わせに、人工知能が回答するサービスを企業向けに開始する。同サービスでは国や地方自治体の膨大なオープンデータから、問い合わせへの最適なデータをピックアップして提供する。Webサイトに質問を入力すると人工知能が質問者の意図を解釈してデータが持つ意味と結びつけられ、オープンデータの中から最適なものを持ってくる。例えば子育て支援事業の起業に関する質問では、起業予定地域の未就学児の推移や厚生労働省が定める保育サービスの基準の情報が掲載されたサイトなどを紹介してくれる。オープンデータとしては政府の統計情報サイト「e-Stat(イースタット)」などのデータや自治体が持つオープンデータを活用するとのこと。

 同サービスでは地域課題の解決に取り組む起業家を後押しして産業競争力を強化することを目的とする。2016年度中にAIインターフェースを開発してWebサイトに実装、一部地域での実証実験を行い、17年度には対象エリアを拡大する。実用化は18年度を予定しているとのこと。

 質問の文脈を解釈して蓄積されたデータから最適な回答を生成する技術は、人工知能と親和性の高い分野であり、過去のデータを活用した人工知能によるQ&Aサービスを提供する企業が相次いでいる。NTTレゾナントの運営するQ&Aサービス「教えて!goo」では、恋愛などの人生相談に対して、蓄積された過去のQ&Aから人工知能が助言を行うサービスの提供を8月より開始する。また、エスクウェアは、人工知能を活用したQ&A自動応答ソリューション「TalkQA」とPepperのプレゼンテーションアプリ「ペップレ」を組み合わせて、図書館の利用者に対して施設案内や質問に答えるサービスを江戸川区立篠崎図書館にて開始している。オウケイウェイヴも自社サービス「OK WAVE」に蓄積する健康相談データと医療現場の診断ビッグデータを活用して、子会社「OKEIOS(オケイオス)」・佐賀大学との共同で人工知能による問診Q&Aサービスを提供予定だ。

 Q&Aサービスに人工知能を活用することで、従来活用しきれなかったデータを最大限に活かし、様々なソリューションに繋げることが可能となる。こうしたサービスが普及・一般化することで人工知能による便利な生活が、比較的わかりやすく実感できるようになると考えられる。(編集担当:久保田雄城)