沖縄・米軍北部訓練場へのヘリパッド建設を巡り、地元・東村の伊集盛久村長が自民党県議団を介し、国に騒音被害を受ける高江区に騒音補償を行う「交付金制度の創設」を求めたことに、沖縄の地元紙、琉球新報が「反対の声が根強いヘリコプー着陸帯(ヘリパッド)の建設、運用を地元自治体の長が容認すると見なされかねない。誤ったメッセージとなることを危惧する」と20日の社説に「危惧する」を報じた。
「高江交付金要望 反対民意封じ込めに使うな」との見出しで「アメとムチを駆使した安倍政権特有の基地押し付け施策の下では、地元の民意が曲解されて拡散される恐れが強いからである」と理由を説明している。
琉球新報は「地元の高江区は建設反対を全会一致で2度決議し、現場では市民と機動隊が対峙(たいじ)する緊迫した状況が続いている。自民党県議団に対し、伊集村長が高江区への交付金制度創設を要望したが、なぜ今か。唐突感は否めない」と真意を測りかねている。
そのうえで琉球新報は「交付金制度創設を要望したことで、ヘリパッドの運用を前提とすることになり、補償型の基地維持施策に手を貸す意味合いを帯びてくる」と懸念を示した。
また、オスプレイ離発着訓練に活用されている既存のヘリパッド(2基)に関して「海兵隊のオスプレイの夜間訓練が激増し、不眠を訴える住民もいる」としているほか「6月の騒音発生回数は2年前の8倍、夜間は24倍になった」とし「安倍政権は直接交付金要望を高江区民のヘリパッド反対の民意封じ込め手段に用いてはならない」と主張している。(編集担当:森高龍二)