日産の最量販車種、5ナンバーミニバン「新型日産セレナ」がモデルチェンジ

2016年08月24日 16:49

Nissan_Serena

高速道路単一車線自動運転を実現した「プロパイロット」を標準装備した、新型セレナ・ハイウェイスター「プロパイロットエディション」を期間限定で発売する新型日産セレナ

 発売前からティーザーキャンペーンで自動運転システム「プロパイロット」を訴求してきた5ナンバーミニバンの「日産セレナ」が、フルモデルチェンジして発売となった。

 5代目「日産セレナ」の開発キーワードは、説明不要な“BIG”“EASY”“FUN”とする。この基本的なコンセプトは、1991年に発売された初代から連綿と続く不滅のテーマで、室内の広さや使い勝手、快適性など、運転席から3列目に乗る人まで、すべての人が快適に移動できるように企画開発されてきたテーマだ。

 日産にとって軽自動車を除く登録車の最量販車種であるセレナは、日産系販売会社にとって最重要車種で稼ぎ頭だ。絶対に失敗は許されないモデルで、トヨタ製5ミニバン3兄弟の牙城を切り崩す使命を持ったブランドである。

 ボディデザインは先代から引き続いて採用された2階建てヘッドライトとセレナ伝統のサイドを流れるシュプールラインのスタイリッシュなエクステリアとなった。ボディ寸法は全長×全幅×全高4690×1695×1865mmの5ナンバーサイズだが、ハイウェイスターだけは全幅が1740mmとなって3ナンバー登録となる。

 驚くべきは室内寸法の拡大だ。先代でも5ナンバーの限界と思われた室内長は、180mmも拡大し、1列目から3列目シートの膝周りスペースにゆとりを生み出している。また、Aピラーのスリム化やメーターデザインの改良により、広々とした見晴らしの良い視界を確保した。同時に2列目のシートベルトをシート内蔵式にすることで、3列目シートに座っても開放感があふれる快適な室内空間を実現した。

 使いやすいミニバンを目指し、新型「セレナ」は新しい装備を採用した。ひとつはクルマに触れずに開閉可能な「ハンズフリースライドドア」だ。スライドドア前に立つ人の足先の操作にセンサーが反応し、自動でスライドドアが開閉する機能。子どもを抱いている時や、荷物で両手がふさがっている時でもスマートにスライドドアを開閉できる。ふたつ目は、ふた通りの開け方が可能な「デュアルバックドア」だ。バックドア上部のみを開閉することで、後ろが狭い駐車場でも荷物の出し入れが可能となった。

 多彩なシートアレンジがさらに進化したことも注目点だ。女性でも楽にシートを動かせるようシートの操作力を大幅に軽減し、3列目シートへの乗降性も向上した。足をのばしてリラックスできる「2列目超ロングスライドシート」を採用し、多彩なシートアレンジを実現している。

 搭載するパワーユニットは2種類。2リッター直列4気筒ガソリンとマイルドハイブリッドで、組み合わせるトランスミッションは、どちらもエクストロニックCVT。基本となるMR20DD型エンジンは改良を受けて圧縮比が従来11.2から12.5の高圧縮化と新型ベルトテンショナーの採用、アイドリングストップタイム拡大などで、マイルドハイブリッド車のJC08モード燃費は従来型の16.0km/リッターから17.2km/リッターに向上。NAエンジン車でも15km/リッターを達成する。

 新型セレナの目玉は何といっても高速道路単一車線自動運転を実現した「プロパイロット」だが、この詳細については項を改める。

 新型発売を記念して、この「プロパイロット」を標準装備したハイウェイスター「プロパイロットエディション」を設定して期間限定で販売する。踏み間違い防止アシストなどの安全装備に加え、セレナの利便性を向上させる「ハンズフリーオートスライドドア」や、スタイリッシュな「16インチアルミホイール」などを標準装備(2WD)としながら、リーズナブルな価格設定となっている。

 新型セレナの販売目標は、極めて強気な8000台/月、日産車として最量販目標を掲げる。(編集担当:吉田恒)