北朝鮮が8月24日早朝に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射し、約500キロ飛翔後、日本の防空識別圏80キロ内側に着弾した問題で、安倍晋三総理は日露首脳会談で「新たな脅威」との認識を示し、プーチン大統領が6者協議(ロシア・中国・北朝鮮・米国・韓国・日本の6者による協議)再開を提示したことに、協議に『実効』を強く求めたが、3日、ウラジオストクで持たれた韓国・朴槿恵(パク・クネ)大統領とプーチン大統領との会談後の会見で、朴大統領は「北の核とミサイルの脅威は、わずか数分の射程にある我々にとって死活問題である」とより緊迫した状況下に置かれていることを強調した。
朴大統領は北の核とミサイルから国民を守るためには米国の最新鋭地上配備型迎撃システム・高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)の配備が避けられないと判断している。先のSLBMが上空50キロ高度からマッハ10の速度で落下しているが、THAADならマッハ14まで対応できるとの見方がある。
一方、ロシアと中国はTHAAD配備に強く反対しており、朴大統領は韓国の置かれた状況とさらにTHAAD配備の目的が対北朝鮮への対応のためのみのものであることをアピールし、北朝鮮の核問題が解決すればTHAADの必要はないとの考えも示したもよう。プーチン大統領は北朝鮮の核保有は容認できない考えを明確にしている。(編集担当:森高龍二)