内部留保増大も法人実効税率の更なる引下げ要求

2016年09月22日 08:09

日本経済団体連合会は21日までに29年度税制改正への提言を行った。法人実効税率の25%実現に向け「更なる引下げを」求めるとともに、2016年度末に課税凍結期限を迎える「退職年金等の積立金に係る特別法人税」についても「課税の再開などはあってはならない」とし「退職年金等の積立金に係る特別法人税は速やかに廃止すべきである」と求めた。

 一方、消費税については2020年度のプライマリーバランス黒字化のため、2019年10月に予定通り10%にすべきとしている。

 法人実効税率については「平成28年度税制改正により法人実効税率の20%台(標準税率ベース:平成28年29.97%、平成30年度29.74%)への引下げが実現したが、今後、将来的にOECD諸国平均や競合するアジア近隣諸国並みの法人実効税25%の実現を目指し、企業の国際的な税負担のイコールフッティングに留意し、税負担水準の引下げに向けた道筋を検討していくべき」と更なる引下げを求めた。

 これまで法人実効税率の引下げなどが行われる一方で、企業の内部留保は膨れ上がるばかり。今年度の内部留保(利益剰余金)は377兆円と前年度から23兆円増加している。そんななかで、賃上げの上げ幅は労働界や政府が期待するほど上がっていないのが実情。また、労働者の4割近くまで非正規労働という異常さも考えるべき問題といえよう。(編集担当:森高龍二)