企業・団体献金が政治と企業・団体との癒着の温床になりかねないことから、クルート事件を契機に企業・団体献金をなくすかわりに、国民1人あたりコーヒー1杯分(制度創設の1995年当時250円)を政党助成金として国費から交付することになった『政党交付金』の10月分が20日、交付請求を行った自民党、公明党、民進党、維新の会、自由党、社民党、日本のこころの7政党に交付された。
この日の交付額は自民党が44億1295万円、民進党が22億3845万円、公明党が7億8291万円。維新の会が2億8258万円、自由党が9257万円、社民党が1億272万円、日本のこころが1億3196万円だった。
日本共産党は交付を受ける資格はあるものの、政党交付金は支持政党に関わらず国民の税金を各党に配分するのは憲法が規定する「思想・信条の自由」に反しているとして、交付を受けずにいる。また政党交付金制度の廃止を求め、廃止法案を国会に提出している。また、企業・団体献金の禁止を図るために創設したにもかかわらず、現在も、こうした献金が続いていることは国民を裏切るものであるとし、企業・団体献金の全面禁止法案も国会に提出している。
政党助成法によりこれまでに政党に交付された額は創設時からの累計で6600億円を超えている。
一方、企業献金については、日本経済団体連合会は今月18日「政治との連携強化に関する見解」などとして「かねてより民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠で、企業の政治寄附は企業の社会貢献の一環として重要性を有するとの見解を示してきた。経団連は会員企業・団体に対し、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかける」と日本再興に向けた政策を進める政党(自民党など)への献金を呼びかけている。
政治とカネの問題が絶えない中、企業・団体献金の問題は政党助成金との関係を含め、国会などで議論していくことが強く求められている。(編集担当:森高龍二)