【今週の振り返り】中国リスクは前場で消化し328円上昇した週

2016年10月22日 20:16

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中国人民銀行演出「午前10時のマチネー」。中国リスクにまた振り回され、情けないと、ため息をつく間に、20日まで5連騰。相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中に育つ。

 2時7分に鳥取県で震度6弱の地震が起きた。自然災害は忘れた頃にやってくる。一時、日経平均も上下の振幅が激しくなるが、すぐにおさまる。これもアルゴリズムのお約束。金曜のザラ場2時台は5年前の東日本大震災と同じでイヤな予感がするが、津波は起こらず、山陽新幹線は20分後に運転を再開。負傷者は出たが死者は出なかった。為替のドル円は少し円高になっても104円台前半で安定する。しかし終盤は17200円を割り込むマイナス圏の安値更新。自然災害によるリスクオフには勝てず反発しても弱々しく、ドル円は104円を割る。安値追いは大引け前まで続いたが、17100円台は守った。

 新規IPOが1件。情報プラットフォーム「SPEEDA」、経済ニュースサービス「NewsPicks」などを運営するユーザベース<3966>が東証マザーズに新規上場。公開価格2510円より15.8%高い2908円の初値がついて白星。今週2件あった新規IPOは1勝1敗。9月は8勝1敗だったが、10月はこの週まで2勝2敗と分が悪い。

 日経平均終値は50.91円安の17184.59円、TOPIX終値は-5.51の1365.29。売買高は18億株、売買代金は2兆320億円で2日連続2兆円超え。値上がり銘柄数は723、値下がり銘柄数は1117。プラスは11業種で、その上位は空運、鉱業、パルプ・紙、不動産、銀行、化学工業など。マイナスは22業種で、その下位はその他製品、情報・通信、建設、その他金融、医薬品、食料品など。上海総合指数は0.21%高だった。

 今週の星取は4勝1敗。前週末14日の終値16856.37円から328.22円上昇して今週の取引を終えた。日銀のETF買い入れは、10月は14日に707億円入っただけ(「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF買い入れ」の12億円を除く)。日経平均が17000円を超えて全体の株価が上昇したこともあり、20、21日には売買代金が10月で初めて2兆円を超えたが、売買高はいまだ20億株に達していない。それでもムードが明るくなり、薄商いのトンネルの出口も少しは見えてきた。(編集担当:寺尾淳)