楽天<4755>が運営するふるさと納税専用サイト「楽天ふるさと納税」において契約自治体数が100を突破した。「楽天ふるさと納税」は2015年7月に提供を開始したサービスで、全国のふるさと納税を実施する自治体とその寄付者を繋げるプラットフォームとしての役割を担っている。楽天会員IDを持っている人ならば同社の運営する「楽天市場」と同じようなフローでふるさと納税を行うことができるのが特徴。画面も「楽天市場」に近くネットショッピング感覚なので、ふるさと納税初心者でも比較的簡単に申し込みをすることができる。
「楽天ふるさと納税」の各自治体のページはそれぞれその自治体で作成している。寄付に対する返礼品の情報はもちろん、その自治体の基本情報や寄付金の使われ方についての記載もある。また、寄付をする自治体は返礼品のジャンルだけでなく寄付金の用途からも検索することができる。自分の寄付する自治体がどのような場所か、寄付金がどのように使われているか具体的に知る事が出来るのは寄付者にとっては興味深いポイントだろう。自治体にとっても単なる物と寄付金のやりとりだけでなく、情報発信の場にもなる。
ふるさと納税は返礼品の内容や税金面での優遇などから投資という面で注目されてきた。しかし、今まで名前も知らなかったような地方自治体を知るきっかけのひとつとしての面も近年重要視されるようになってきている。ふるさと納税は「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、そして「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設された。後者の「自分の意志で応援したい自治体を選ぶ」という事に関して、すでに観光などで有名な自治体ならばともかく、そうではない自治体では発信力に不安があるだろう。そこで自治体と寄付者を繋ぐ企業等の取り組みがとても重要になってくる。「楽天ふるさと納税」のようなふるさと納税のポータルサイトは、自治体としてのネームバリューではなく魅力そのもので寄付者に興味を持ってもらうための大きな役割を担っているのである。(編集担当:久保田雄城)