歴代ヤマハの名機集結、そのデモ走行会が8年ぶりに復活。11/5に袋井テストコースで

2016年11月03日 12:22

館長

「過去に生み出されたこうした製品は、社会や会社にとって重要な文化財ですし、当時の先端技術や技術者たちの知恵を伝える資産です」とコミュニケーションプラザ館長を務める大隅哲雄氏は話す

 ヤマハ発動機(静岡県磐田市)の企業ミュージアムである「コミュニケーションプラザ」は、同施設に収蔵される歴史的な車両をデモ走行させる「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会2016」を11月5日、静岡県袋井市にある同社テストコースにおいて開催する。歴史に名を残す市販二輪車やレーシングマシンに加え、四輪車などのデモ走行を実施するという。

 「コミュニケーションプラザ」はこの秋、12年ぶりとなる大規模なリニューアルを行ない、2階の歴史展示ゾーンを中心に大きく生まれ変わった。会社の歩みを映像で紹介する新設のミニシアターや、サーキットの風景を再現した歴代のレーシングマシンの展示コーナーは、すでにたくさんの来場者たちで賑わいを見せている。

 現在展示している歴史的な製品は、二輪車やマリン製品、電動アシスト自転車など合わせて約76機種。過去の優良マシンの復元作業はいまなお続けられており、倉庫で眠り、レストアを待つモデルを含めると250機種を超えるという。

 「過去に生み出されたこうした製品は、社会や会社にとって重要な文化財ですし、当時の先端技術や技術者たちの知恵を伝える資産です」とコミュニケーションプラザ館長を務める大隅哲雄氏は話す。今回のリニューアルで、1963年製のモーターボートが初展示されるなど、復元される製品はまだまだ増え続けていきそうだ。

 同館で展示する歴史的製品は性能や機能までが再現されているが、その状態維持するためには定期的な確認走行や整備作業が欠かせない。その一方で、半世紀前の自社製品が走る姿を見る機会は、同社の社員でもめったにないため、希望する社員や当時開発に携わったに方々に向けて確認走行を公開したところ、これが大好評となった。そこで、2001年からヤマハファンに、この走行会を一般公開し「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会」として発展してきた。しかし、リーマンショックの2008年に休止となり、以降開催されていない。

 昨年、「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会」は復活の狼煙をあげるも、台風の直撃が予想されたことから前日に中止の決定が下された。

 そして今年、復活への再チャレンジとなる。「8年ぶりに一般公開となる今年のイベントを、ヤマハファンも、準備を進める私たちも待ちきれない気持ちでいます」と前出の大隅氏は興奮した面持ちで話す。

 ヤマハ主催の「歴史車両デモ走行会・見学会2016」(入場無料/雨天開催)は、11月5日(土)にヤマハ袋井テストコース(静岡県袋井市)で開催する。当日は歴代の市販二輪車30台に加え、1985年の鈴鹿8時間耐久レースで歴史に残るドラマを演じたFZR750などのレーシングマシン、さらにはトヨタ2000GT(1967年)やOX99-11(1992年/プロトタイプ)といった四輪車のデモ走行も行なう。

 「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会」の復活は、社内の反響も大きく、30人ほどのボランティアライダー募集に対しておよそ2倍もの応募が殺到したという。楽しみなイベントだ。(編集担当:吉田恒)