【今週の振り返り】TPP瓦解危機でも地震発生でも413円上昇の週

2016年11月26日 20:17

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トランプ次期大統領が政策を語り始め、最初に〃血祭り〃にあげたのはTPPだった。だが東京市場はスピードを少しゆるめても、「トランプ・ラリー特急」ノンストップ。

 後場は高値を取って再開し、18100円台前半。為替のドル円は110円台後半。津波注意報は1時までに全て解除された。1時に10月の食品スーパー売上高、2時30分に全国百貨店売上高が発表された。食品スーパーは既存店ベース+1.7%で3ヵ月ぶりのプラス。野菜の高騰が影響しており素直に喜べない。百貨店は-3.9%で8ヵ月連続のマイナス。前日4時に発表された10月の全国コンビニエンスストア既存店売上高は+0.2%で2ヵ月ぶりのプラス。来店客数は-1.3%で8ヵ月連続のマイナス、平均客単価は+1.6%で19ヵ月連続のプラス。10月の小売業指標はコンビニ、スーパー、食品スーパーはプラスになっても百貨店だけはマイナスが続く。1時台は18100円台前半だった日経平均は2時台は18150円を超えるようになり、ナチュラルな高値追い。祝日休場前でも手じまいの動きは小さく、そのまま大引けになり日経平均は5営業日続伸、TOPIXとJPX日経400は昨年夏以来の9営業日続伸。地震が起きてもトランプ・ラリー特急は停まらない。

 新規IPOが1件。宮崎市が本社でコインランドリーのフランチャイズチェーン「WASHハウス」を運営するWASHハウス<6537>が東証マザーズ、福岡Qボードに新規上場。公開価格2300円より40.8%高い3240円の初値がつき、その後もストップ高の人気。「学生や独身者がコミックを読みながら洗濯が終わるのを待つ」という従来のコインランドリーのイメージを変えている。

 日経平均終値は56.92円高の18162.94円、TOPIX終値は+4.57の1447.50。売買高は19億株で久々の20億株割れ。売買代金は2兆1727億円。値上がり銘柄数は1210、値下がり銘柄数は650。プラスは25業種で、その上位は鉱業、鉄鋼、情報・通信、石油・石炭、水産・農林、非鉄金属など。空運1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは7業種で、その下位は海運、輸送用機器、証券、金属製品、ゴム製品、電気機器など。上海総合指数は0.93%高だった。

 24日の日経平均は大幅に6営業日続伸。22日のNYダウ終値は67ドル高の19023ドルで初の19000ドル台乗せ。続伸したNYダウ平均、NASDAQ、S&P500、小型株指数のラッセル2000とも史上最高値更新のお祭り騒ぎ。天下御免のトランプ・ラリー。中古住宅販売件数は市場予測を上回り9年9ヵ月ぶりの高水準。NY時間の為替レートはドル円が111円台前半、ユーロ円が118円前後。CME先物清算値は18210円。大阪夜間取引終値は18200円だった。

 23日の上海市場は0.22%安で反落。大陸ヨーロッパはPMI速報値発表日。フランスは製造業低下、サービス業上昇、ドイツは小幅に低下したがユーロ圏は今年最高の数値。しかし英国が成長率見通しを引き下げヨーロッパの株価は3日ぶり反落。一方、NYダウは59ドル高で3日続伸。新築住宅販売件数は市場予測を下回ったが、耐久財受注が非常に好調で、ミシガン大学消費者態度指数確報値も市場予測を大きく上回った。11月1~2日に開催されたFOMCの議事要旨は12月利上げを示唆する内容だが株価はすでに織り込み済み。原油先物価格は4営業日ぶり、金先物価格は3日ぶりに反落し、手じまい売りが入りやすい感謝祭の休日前だったが、アメリカの長期金利が上昇し一時2.4%を超えると金融セクター主導でプラスに転じた。ダウはこのところ安く始まり尻上がりに上昇するパターン。NASDAQは反落。ドル円が23日のNY時間に112円台に乗せただけでなく113円にも迫り、朝方はドル円が112円台後半、ユーロ円が118円台後半。CME先物清算値は18425円。大阪夜間取引は休場。

 日経平均始値は166円高の18329円。高値は0時41分の18382円。安値は9時33分の18310円。終値は170円高の18333円。東京で初雪が降り11月の初雪は54年ぶり。外は真冬の寒さでも東京市場はホットで、166円高で18300円台に乗せて始まる。序盤は18370円まで上昇するが18400円台はさすがに届かない。祝日明けで売買は多いが、日経平均は18300円台前半で動きが乏しい。為替レートもほとんど動かず、そのまま10時台も11時台も推移して175円高で前引け。前場の値幅は60円しかなかった。

 後場はドル円が113円に迫り日経平均も0時台に高値を更新するが、18400円にはタッチできず18300円台半ばで再び動かなくなる。前場は盛んだった売買も沈静化。2時に9月の景気動向指数改定値が発表され、一致指数は前月比+0.8ポイントで速報値を上回り、先行指数は-0.6ポイント低下。景気の基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。終盤まで18300円台半ばの「なぎ」の状態で、ドル円も112円台後半のまま。終盤に少し振れただけで大引け。1月5日以来の高値。日中値幅は72円だった。日経平均は6営業日、TOPIXは10営業日続伸で、昨年5~6月の「破竹の12連騰」以来の記録。

 トヨタホームが連結子会社にすると発表したミサワホーム<1722>は15.58%上昇。上場は維持する。トヨタ<7203>は4.79%上昇。三澤千代治氏が創業し高度成長期にプレハブ住宅で急成長したベンチャーも、トヨタグループの企業としてその名を残せるか? ダイエーは残せなかった。自動車用ライト、ミラーの市光工業<7244>はフランスの自動車部品大手ヴァレオ社がTOBで子会社化すると報じられ17.18%上昇した。こちらも上場維持。新しい上司はフランス人?