【今週の振り返り】TPP瓦解危機でも地震発生でも413円上昇の週

2016年11月26日 20:17

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トランプ次期大統領が政策を語り始め、最初に〃血祭り〃にあげたのはTPPだった。だが東京市場はスピードを少しゆるめても、「トランプ・ラリー特急」ノンストップ。

 日経平均終値は170.47円高の18333.41円、TOPIX終値は+12.46の1459.96。売買高は23億株、売買代金は2兆6183億円。値上がり銘柄数は1157、値下がり銘柄数は720。プラスは26業種で、その上位は鉄鋼、輸送用機器、不動産、ゴム製品、非鉄金属、証券など。マイナスは医薬品、石油・石炭、化学工業、銀行、鉱業、その他製品、食料品の7業種。上海総合指数は0.01%高だった。

 25日の日経平均は終盤プラスにひっくり返して7営業日続伸。ドイツのIFO企業景況感指数は横ばいでも2014年4月以来の高水準継続。ヨーロッパの株式市場は反発。NY証券取引所などアメリカの株式市場、CMEなど商品市場、債券市場、為替市場は「感謝祭(サンクスギビングデー)」で休場。為替の円安がさらに進行し朝方はドル円は113円台前半、ユーロ円は119円台半ば。大阪夜間取引終値は18410円だった。

 日経平均始値は54円高の18387円。高値は10時44分の18482円。安値は2時12分の18288円。終値は47円高の18381円。取引時間前に政府の経済指標の発表があり、消費者物価指数(CPI)の10月全国は-0.4%で市場予測と一致。11月東京都区部は-0.4%。日銀も消費者物価指数を発表し、こちらは前年同月比+0.3%で9月から0.1ポイント伸び率が拡大した。10月の企業向けサービス価格指数は前月比+0.3%、前年同月比+0.5%。円安を背景に日経平均もTOPIXもプラスで始まり、序盤に日経平均は前日届かなかった18400円台に乗せる。9時台は18450円付近まででも、10時台はドル円が114円に迫り、ユーロ円は120円タッチ。日経平均は18450円をオーバーし一時18482円まで上昇する。前引けは140円高の18473円で、大発会の1月4日の終値ベースの年間最高値18450円を上回った。ただしその日のザラ場高値は18951円でさらに501円も高い。

 後場は前引けよりやや安く再開し、0時台のうちに18450円も18400円も18350円も割り込む。25日の給料日に、ついにやってきたか「トランプ・ラリーのツケ払い」。TOPIXはマイナス圏まで下げる。利益確定売りの金曜日をあなどってはいけない。1時台はなんとかプラスを保っていたが、2時前から日経平均、TOPIXともマイナスに落ちる。インド中央銀行がドル売り介入という話も伝わり、ドル円は113円台前半まで徐々に円高方向へ振れた。2時台はプラスに何度もタッチしながら、ほとんどの時間は小幅マイナス。18300円を割っても一時的で大崩れしない。ところが終盤になるとTOPIXも日経平均もマイナスから小幅プラスに転じ、トランプ・ラリーはあきれるほどのしぶとさ。日中値幅は194円もあった。日経平均は7営業日続伸、TOPIX、JPX日経400は11営業日続伸。

 日経平均終値は47.81円高の18381.22円、TOPIX終値は+4.57の1464.53。売買高は24億株、売買代金は2兆7225億円。値上がり銘柄数は1030、値下がり銘柄数は835。プラスは22業種で、その上位は輸送用機器、精密機器、電気・ガス、非鉄金属、倉庫、陸運など。マイナスは11業種で、その下位は銀行、不動産、海運、水産・農林、卸売、空運など。上海総合指数は0.62%高だった。

 今週の星取は4戦全勝。前週末18日の終値17967.41円から413.81円上昇して今週の取引を終えた。3週間で1475.86円も上昇している。「ワルノリしすぎ」「後で痛いツケを払わされる」と言われながら、日経平均は7連騰、TOPIX、JPX日経400は11連騰継続中。この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたることもなし、とでも思ったのか「パラダイム・シフト」と言う人まで現れている。(編集担当:寺尾淳)