5日には中国の11月の財新の非製造業PMI、アメリカの11月のISM非製造業景況指数、6日にはアメリカの10月の貿易収支、製造業受注、7日にはオーストラリアの7~9月のGDP、アメリカの10月の消費者信用残高、8日には中国の11月の貿易収支、9日には中国の11月の消費者物価(CPI)・生産者物価(PPI)、アメリカの10月の卸売売上高、卸売在庫、12月のミシガン大学消費者マインド指数が、それぞれ発表される。
5日にオーストラリアで、7日に高額紙幣の通用停止で社会が混乱しているインドで政策金利が発表される。8日にECBの定例理事会が開かれ、終了後にドラギ総裁が記者会見を行う。イタリアの国民投票の結果次第ではECBの金融政策の重みが増す。10日はノーベル賞の授賞式。平和賞はノルウェーのオスロ、それ以外はスウェーデンのストックホルムで行われる。日本人では大隅良典博士が医学生理学賞を授与され、受賞記念講演を行う。文学賞のボブ・ディラン氏は「先約」があるらしく欠席。後で受賞記念講演(記念ライブ?)を行うのが決まり。
アメリカの主要企業の決算発表は、6日にトール・ブラザーズ、オートゾーン、8日にコストコホールセール、クーパー、ブロードコムが発表する予定。
前週の週間騰落は44.86円と小幅高。週末2日の終値は18426.08円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は全て下にある。5日移動平均は18382円で44円下、25日移動平均は17717円で709円下、75日移動平均は17100円で1326円下、200日移動平均は16667円で1759円下。
日足一目均衡表の「雲」は2日時点では16838~16949円。2日終値18426円は雲の上限から1477円も上にあり、成層圏を飛ぶ飛行機を通り越し、宇宙ステーションのような浮世離れした高度。今週の雲は上限が17000円を超えて日ごとに切り上がる。下限は5日の16873円から9日は16879円へ6円上昇するだけだが、上限は5日の17012円から9日の17078円へ66円の上昇。12月の後半には「上限=下限」になり雲が消えてなくなるという、世にも不思議な現象が起こる。
ボリンジャーバンドでは、2日終値18426円は25日移動平均+1σの18279円と、+2σの18841円の間にあるが、+1σは147円下、+2σは415円上で、+2σが48円上だった前々週末と比べればポジションは低めになる。その分、上値は限定されながらも上値追いの余地はある、ということになる。
オシレーター系指標は、急伸した前々週末は毎回紹介している7つの指標が全て「買われすぎ」になるという、めったにない〃偉業〃を達成したが、前週は週間騰落が44円の小幅高で、水準が前々週末とあまり変わらないまま1週間という時間が経過する「時間調整」の効果で、週末の「買われすぎ」シグナルは7個から4個に減った。テクニカル指標は、同じような株価水準なら時間の経過とともに「異常値」から「正常値」へ移り変わっていくもの。
「買われすぎ」の4個は、88.0で買われすぎ基準の70をオーバーしたRSI(相対力指数)、+88.1で買われすぎ基準の+50をオーバーしたRCI(順位相関指数)、123.5で買われすぎ基準の120をオーバーした25日騰落レシオ、71.8で買われすぎ基準の70をオーバーしたボリュームレシオ。もっとも、騰落レシオとボリュームレシオの2個は買われすぎ基準を少し上回るだけで、程度は小さい。
それ以外は、ストキャスティクス(9日・Fast/%D)は67.5、サイコロジカルラインは9勝3敗で75.0%、25日移動平均乖離率は+3.8%で、ハイレベルではあるが買われすぎの基準には達しなかった。
総じて言えば、2日終値の18426円はテクニカル指標では前々週末よりも買われすぎの度合いが緩和されていた。それでもやはり上値追いは限定的になる。
11月25日時点の需給データは、信用買い残は18日時点から180億円減の2兆400億円で2週ぶりの減少。信用倍率(貸借倍率)は2.37倍から2.18倍へ3週連続の減少。信用評価損益率は-8.20から-8.19へ3週連続の改善。裁定買い残は2482億円増の1兆5558億円で、3週連続で増加した。
11月21日~25日の投資主体別株式売買動向は、外国人は3027億円の3週連続の買い越し、個人は4331億円の3週連続の売り越し、信託銀行は823億円の5週連続の売り越し。リスクオンの週によく現れるパターンが3週続いた。