ソフトバンクグループ<9984>のSBイノベンチャーは保育業界にICTを導入する新会社hugmo(ハグモー)を設立した。同社は2016年11月1日より保育者と保護者がスマートフォンやパソコンで利用できるサービス「hugmo」の本格提供も開始した。
hugmoは「未来を創る大切な子どもたちのために、子育てを最高にワクワクする、楽しいものにしたい」をコンセプトに、保育者や保護者の負担軽減、質の向上、効率化を狙いとしている。メインサービスであるアプリケーション「hugnote(ハグノート)」は保育者と保護者間でやり取りされる連絡帳をデジタル化したものである。保育者は園児の健康状態や活動内容、お知らせを写真とコメント付きで保護者へ直接連絡することができる。その投稿を見て、保護者はその日あったことを即座に知ることが出来るのだ。また、保護者もコメントを投稿することができるので質問があった場合はその場で解決することができる。写真を見れば言葉では伝わりにくい園内での様子や仲の良いお友達なども知ることができ、保護者として安心感が増すだろう。
hugnote(ハグノート)のようにスマートフォンやパソコンを介して保育者と保護者のコミュニケーションを行うサービスにリクルートグループ<6098>のkidsly(キッズリー)がある。こちらも園児の登園管理や個別の連絡、そして園の年間スケジュールを確認できるカレンダー機能などが搭載されている。
このように保育業界にICT導入の流れが出来ている背景には待機児童の問題があった。厚生労働省は待機児童解消に向けて「保育士の業務負担軽減のためのICT化の推進」を掲げている。ICTを導入することによって、各種お知らせの提示や園児一人ひとりへ向けたアナログでの連絡帳の記入など保育者への負担は大幅に軽減される。そうすることによって、保育業務への時間をより多く確保することができるのである。
単に受け入れる施設や保育者を増やすだけではなく、既存の保育のあり方そのものを見直す姿勢が待機児童問題解決には必須である。そして、保護者が一番気になる保育の質も忘れてはならない。効率化をはかりつつ、質の向上も見込めるICTの導入は保育事業の一つの革命と言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)