IntelのAI戦略 IoTからクラウドまでの領域でAI実装を加速

2016年12月06日 08:05

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米Intelは2016年11月17日、サンフランシスコにて開催の「Intel AI Day」で、AIの学習や実行を加速するハードウエアやソフトウエアを提供し、AIの市場でもリーダーシップをとることを宣言した。これまで買収してきた米NervanaなどAI関連のベンチャー3社の技術を取り込むことで、今後急速に拡大すると見込まれるAIの市場での存在感を強める意向。

 米Intelは2016年11月17日、サンフランシスコにて開催の「Intel AI Day」で、AIの学習や実行を加速するハードウエアやソフトウエアを提供し、AIの市場でもリーダーシップをとることを宣言した。サーバー機を中心としたクラウド市場で最前線を走ってきた同社だが、AIにおいての深層学習では、同社の主戦場であるCPUに比べて並列処理で優位なGPU(画像処理に使用されるプロセッサーユニット)を採用する場面が多く、その分野ではGPU最大手、米NVIDIAに遅れをとっている。これまで買収してきた米NervanaなどAI関連のベンチャー3社の技術を取り込むことで、今後急速に拡大すると見込まれるAIの市場での存在感を強める意向。

 AIによる処理(学習及び実行)には、末端側のものとクラウド側のものがある。IoT機器などの末端側では環境の認識や自動制御を実施し、クラウド側では収集データをもとにアルゴリズムの生成や情報抽出を実施する。同社は末端側からクラウド側の広範囲でAI向けの製品群を発表した。処理能力や消費電力が限られる末端側の環境で効率よく処理できるチップや、学習用チップから実行用チップまでデータセンターでAIの実装に利用できる製品群を発表。それ以外にも深層学習開発に向けたフレームワークや数値演算用ライブラリ、同社のチップ上で米Goggleの深層学習フレームワーク「TensorFlow」を最適化する計画も発表された。これら末端側からクラウド側までの高速化実現は、Nervanaの持つ技術を取り入れたことが大きい。さらなる技術強化にて20年までに、同社のチップを用いた深層学習での所要時間を現在最も高速なものの100分の1にまで減らすとのこと。

 AI製品を強化する意向を示した同社だが、一方でウェアラブル分野からの撤退が予想されている。半導体市場のライバルである英Qualcommに対抗するために、ウェアラブル端末を開発するベンチャーをいくつも買収し、画期的なデバイスを市場へ投入してきた同社だが、デバイスのリコールもあり同分野への投資の大幅な削減を打ち出している。拡大するウェアラブル市場で大きな成果を残すことを目的に設立されたNew Digital Group(NDG)の大型解雇や部門閉鎖が噂されており、選択と集中により、同社がAI分野に全力を投入する姿勢の表れだとも捉えられる。(編集担当:久保田雄城)