8Kスーパーハイビジョンで遠隔診療をより高精度に NTTデータらが実証実験へ

2016年12月21日 08:35

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NTTデータ経営研究所らは、2016年12月より、8Kスーパーハイビジョン技術(8K技術)を活用した遠隔医療の実証実験を実施する。8K技術は日本発の次世代放送技術で、従来のハイビジョン画質の約16倍、3300万画素での表現が可能となり、これは人間の網膜に近い画素数といわれる。

 NTTデータ経営研究所らは、2016年12月より8Kスーパーハイビジョン技術(8K技術)を活用した遠隔医療の実証実験を行う。8K技術は日本発の次世代放送技術で、従来のハイビジョン画質の約16倍、3300万画素での表現が可能となり、これは人間の網膜に近い画素数といわれる。

 今回実証実験が実施される領域としては、8K技術の活用で特に有効性が高いと考えられる「遠隔病理診断モデル」および「遠隔診療支援モデル」となる。現在は病理医の不足から、遠隔での病理診断がデジタル画像を用いて行われている。実証実験では、診断精度の向上を目指してデジタル画像を8K技術で代替する。また、離島・へき地で特定疾患領域の常勤専門医が不足していることから、現在、他地域医師の定期的な訪問や遠隔での画像連携が実施されている。実証実験では診療支援の精度向上および訪問医師の負担軽減に向け8K技術を活用する。各モデルにおいて、8K映像を観察した場合と実物を観察した場合の診断結果の違いおよび、8K映像の録画とシミュレーションにより作成された2K映像や4K映像との違いを比較・評価する。

 8K技術の超高精細映像では通常診断では不可能だった細かな病変の認識が可能となる。今後の展望としては、遠隔診療支援システム、遠隔病理診断システムおよび超高精細画像情報データベースの構築により、8K技術での超高精細映像の利活用を促進する。遠隔病理診断モデルでは、病理医がいない地方の病院でもより安全に手術を実施可能となることを目指す。遠隔診療支援モデルでは、離島・へき地でも専門医による精度の高い遠隔診療が受けられることを目指す。特に患者の皮膚の診断では、8K技術は触診の再現が可能なほどの高い質感再現能力を持つとされ、精度向上が期待される。

 超高齢社会に突入している日本において、医療需要の増加や通院困難な高齢者の増加、医療資源の不足は加速すると考えられ、少ない医療資源を有効活用すべくICTを活用した遠隔診療の導入が積極的に進められている。18年度の診療報酬改定では遠隔診療の診療報酬について、対面診療と同程度まで引き上げられるべきとの声もあり、これが実現すればさらに遠隔診療の導入が加速するだろう。8K技術の活用で現在導入されているものよりさらに精度の高い診療が可能となることから、同技術の実用化が急がれる。(編集担当:久保田雄城)