2017年の干支は酉(とり)である。東京商工リサーチによると、全国にある法人約260万社のうち、酉年に設立された法人は16万533社あることがわかった。
十二支のうち、酉年設立の企業の構成比は6.2%で最も少なかった。酉年で最も設立の古い法人は二宮尊徳の教えを広げている一般社団法人天神町報徳社(静岡県)の1885年(明治18年)6月設立。次いで、同年8月設立で内外装タイルの老舗のダントーホールディングス(大阪府)、同年9月設立で外航貨物海運の日本郵船(東京都)など、1885年設立は4社あった。
都道府県別では、東京都が3万5,666社(構成比22.2%)で最も多く、近畿(2府4県)の1.5倍の法人数だった。
それぞれの属性で最多は、設立年別は2005年が7万4,736社(構成比46.5%)、月別は年度始めの4月が1万9,370社(同12.0%)、産業別はサービス業他の4万8,124社(同29.9%)だった。
酉年は、第二次世界大戦が終結した1945年、国産ロケット1号機の発射が成功した1957年、アポロ11号により人類が初めて月面に着陸した1969年など、次代への転換局面が多い。また、日本銀行が「日本銀行券」の正式なお札を発行(1885年)、女性にも弁護士への道が開かれた弁護士法改正(1933年)など、社会的にも政治経済でも大きな出来事があった。
酉年設立の法人のうち、最も設立が古いのは1885年6月設立の一般社団法人天神町報徳社(静岡県)。以下、同年8月設立のダントーホールディングス(大阪府、純粋持株会社)、同年9月設立の日本郵船(東京都、外航貨物海運業)が続く。主な上場企業は、ヤマハ(設立1897年)、三菱電機、小松製作所(同1921年)、日産自動車(同1933年)、富士重工業(同1945年)、亀田製菓(同1957年)、ソフトバンクグループ(同1981年)、バンダイナムコホールディングス、セブン&アイ・ホールディングス(同2005年)など245社あった。ただ、十二支のなかで酉年は上場会社数が最も少ない。(上場企業の最多は丑年の389社)
酉年に設立された法人の売上高(単体)トップは、2016年10月に三菱自動車の筆頭株主になった日産自動車の3兆4,934億円。以下、納入したエレベーターが世界最速とギネスに認定されたと2016年12月に公表した総合電機メーカーの三菱電機の2兆6,757億円、2017年に創業100年を迎え同年4月に「スバル」に商号変更する富士重工業の2兆834億円など。売上高1兆円以上は11社。
設立年別では、2005年が7万4,736社(構成比46.5%)で最も多かった。次いで、1993年の3万2,539社(同20.2%)、1981年の2万4,432社(同15.2%)と続く。
酉年に設立された法人のうち、設立から30年未満は10万7,275社と全体の6割(同66.8%)を占める。一方、100年以上前に設立された法人はわずか43社(同0.02%)にとどまり、長い間、法人を維持することの難しさが浮き彫りとなった。
2017年の干支である酉は「果実が極限まで熟した状態・酒熟して気の漏れる状態」の由来がある。物事が頂点まで極まった年とも言われ、酉のつく年は商売繁盛に繋がるという。2017年は、今まで培ってきた技術や信用をより確固なものとし、大きなビジネスチャンスを掴み取り、大手から中小企業、さらに地方経済にも明るい一年となることが期待されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)