経済の好循環回す鍵は「賃上げ」安倍総理が要請

2016年12月26日 19:45

 安倍晋三総理は26日都内で開かれた日本経済団体連合会の審議員会で「先週、21か月ぶりに政府の景気判断を引き上げた。ただ、アベノミクスは、まだ『道半ば』であり、デフレ脱却を確かなものとし、経済をしっかりとこれからも成長させていく」とあいさつした。

 また、賃上げについて「経済の好循環を力強く回していく鍵は来年の賃上げ」と語り「榊原定征会長に出席いただいた、先月の『働き方改革実現会議』で、少なくとも今年並みの水準の賃上げ、特に、4年連続のベアの実施、期待物価上昇率も勘案した賃上げ、下請等中小企業の取引条件の改善の3点を申し上げた」と語り「産業界の皆様には、来年の賃上げに向けて積極的な御対応をお願いしたい」と要請した。

 また安倍総理は「人工知能、IoT、ロボット。近年のめざましい技術革新を活用し、人々の暮らしを豊かにしていく」と述べ「新たな技術の導入の妨げとなっている制度は躊躇なく、スピード感をもって改革を行っていく」と強い意欲を示した。

 安倍総理は「特にインパクトが大きいのは医療・介護の分野だ」とし「団塊の世代が75歳を迎える2025年は、すぐそこまで来ている。長生きするなら健康でいたい。技術の力で、この願いをかなえられる日が近づいている」と語った。

 また、安倍総理は「蓄積されたデータを活用し、医療や介護の軸足を個々人の状態に応じた『予防・健康管理』と『自立支援』に移していく」とし「医療や介護の報酬や人員配置基準といった制度の改革に踏み込む」考えも示した。(編集担当:森高龍二)