年始は様々な業界で「新春大売出し」や「新春セール」などが催される。もっとも身近なところでは、百貨店やスーパーが行う「初売り」がある。近年では元旦から営業を開始し、「初売り」を行う店舗も増えてきたが、百貨店大手の伊勢丹では、そんな世の中の流れに逆行して、伊勢丹新宿本店など一部店舗の初売り日を1月3日からにするようだ。同グループでは2016年度から「従業員や取引業者にも正月を」という目的でこの取り組みを始めているが、昨年度の実績では初日の売り上げが、元旦から初売りをしていた前年度までのそれを上回ったという。
昨今では、コンビニや量販店などでも、元旦から深夜まで営業を続けているところも珍しくない。飲食店も正月でも休むことなく営業しているところが多いので、お節料理を用意する家庭も少なくなった。「おせちもイイけどカレーもね」というフレーズが流行った昭和の時代に比べると、随分、正月ムードが薄れてきたと嘆く声も多い。しかしながら、やはり正月に店が開いていると助かるのは間違いない。「元旦から営業してほしい」と「三が日くらいは休めばいいのに」。どちらが良いのかは意見の分かれるところだろう。
飲食以外にも、正月の悩みの一つに「どのように過ごすか」ということがある。初詣に出掛けても、その後、家族で行き場を失くしてしまう人も多いのではないだろうか。そんな中、「お正月に家族で出かけるスポット」の穴場としておすすめしたいのが、住宅展示場だ。
理由はいくつか挙げられるが、まずは近年、相続税対策などで二世帯住宅や同居が増えていることがある。正月は、里帰りなどで、三世代一緒にゆっくりと過ごせる貴重な時間でもある。展示場ではイベントなども開催されているので、子どもたちも退屈しないで済む。これからの生活のことを話し合うにも、正月はちょうど良い機会になる。
また、住宅業界も正月はお盆と並ぶ書き入れ時なので、多くの住宅業者が力を注ぐ時期だ。その為、最新の住宅設備やプランの充実した住宅が、お得な価格ですすめられるのもこの時期でもある。近い将来に住宅の購入を検討している場合はもちろん、最新の住宅動向を知る意味でも、正月の住宅展示場はかなり有益な情報に溢れている。
例えば、昨年末にいち早く新春キャンペーンの詳細を発表したミサワホームも、同社の人気プランである大収納空間KURAのある家や、連続余震にも安心な「耐震+制震」装置「MGEO」搭載を搭載した住宅など、多彩な最新商品を各展示場で紹介している。さらに、木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホームも、2017年1月2日から全国一斉フェア「家計応援!豊かな暮らし実現フェア」を開催し、ZEH仕様と太陽光10kW搭載を標準とした「太陽を活かす家ZEH」を販売しているが、設備だけに頼らず、工務店系ハウスビルダーの強みを活かした、かゆいところに手の届く「住みごこち」を家族一緒に体験できるのも、正月の住宅展示場ならではではないだろうか。
他にも、宮城県仙台市の「TBCハウジング ザ・モール仙台長町サイド 緑と風のガーデン」の新春フェアでは毎年恒例で西友ショッピングカードのプレゼントや、お雑煮などが振る舞われているが、全国の様々な住宅展示場でも、行くだけで得するような、新春ならではのイベントを開催しているところも多い。
正月の行き場に困ったときは、近くの住宅展示場に足を運んでみるのも面白い。(編集担当:藤原伊織)