今年最後の新規IPOが1件。美容サロン向けのICT事業、中小企業向けビジネスサービス事業、介護サービス事業を手がけるティビィシィ・スキヤツト<3974>がジャスダックに新規上場。大引けまでに初値がつかず、公開価格1400円の2.3倍の3220円の買い気配で翌日に持ち越した。よほどのことがなければ白星は間違いないところ。
日経平均終値は6.42円高の19403.06円、TOPIX終値は-1.92の1536.22。売買高は17億株、売買代金は1兆8354億円。値上がり銘柄数は781、値下がり銘柄数は1076。プラスは18業種で、その上位はゴム製品、海運、その他金融、医薬品、銀行、石油・石炭など。マイナスは15業種で、その下位は不動産、パルプ・紙、建設、空運、電気機器、鉄鋼など。上海総合指数は0.25%安だった。
28日の日経平均は小幅反落。27日のロンドン市場は「ボクシング・デー」で休場。昔の英国貴族が屋敷の使用人を休ませた日が起源。その貴族も顧客だった伝統を持つイタリアのモンテ・パスキ銀行は資本不足が88億ユーロでイタリア政府が65億ユーロの公的資金投入と報じられたが、「区切りがついたこと」なのでフランクフルトDAX指数もパリCAC指数も小幅高。マーケットが一番嫌がるのは「区切りがつかないこと」と「どこまでひどいかわからないこと」。
3連休明けのNY市場は「トランプ減税」への期待に加え、原油先物価格が3営業日続伸し終値53ドル台。12月のCB消費者信頼感指数は市場予測を上回り、S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は+5.1%、リッチモンド連銀製造業活動指数は+4と経済指標も良かったので朝方に2万ドルの大台にあと20ドルまで迫ったが、午後は利食い売りに押されて終値は11ドルの小幅高。ハイテクセクターが買われNASDAQは高値を更新し、S&P500もプラス。朝方の為替レートはドル円が117円台前半、ユーロ円が122円台後半。大阪夜間取引終値は19420円。CME先物清算値は19390円。
日経平均始値は10円安の19392円。高値は1時3分の19442円。安値は9時21分の19364円。終値は1.34円安の19401.72円。取引開始前に月末恒例の政府の経済指標の発表。11月の鉱工業生産指数速報値は前月比+1.5%。12月予測は+2.0%。市場予測を下回ったが4ヵ月連続で「マイナスに非ず」だったので、経済産業省は基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」から「持ち直しの動き」に上方修正した。11月の商業動態統計速報値の小売業販売額は前年同月比+1.7%、前月比+0.2%と堅調。百貨店の不振を+3.8%のコンビニがカバーした。寒波襲来でよく売れたコンビニの「おでん」が日本の小売を支えたとも言える。
12月決算銘柄の配当権利落ち日の日経平均はCMEにさや寄せし19400円を割り込み10円安で始まる。日経平均の配当落ち分が約27円と推測されたので実質的にプラス。TOPIXはわずかなプラスでスタートした。序盤は19360~19400円の40円幅でもみあい。為替のドル円はNY時間よりも円安だが19400円はタッチするだけでプラスになれない。TOPIXもプラスに戻れない。上方修正で何度も喜ばせた後にショッキングな原子力事業の数千億円の特損計上、最終赤字転落の可能性が前日の記者会見で明らかになった「東芝の裏切り」が影を落としている模様。「区切りがつかない」「どこまでひどいかわからない」東芝はストップ安の売り気配。日経平均は10時台、思い出したように19400円を超えてプラスに飛び出すが、即、頭を抑えられ19400円割れまで抑え込まれる。TOPIXのプラス転換も十数分限り。まるで、「後場で日銀買い様をお迎えしたいのに、余計なことをするな」とお説教されているかのよう。11時台にかけてはほぼ19400円台で、プラスにタッチしてはマイナスに戻る小幅な値動きを繰り返す。だがTOPIXはプラスに定着して日銀のETF買い危うし。前引けは日経平均もTOPIXもプラスになってしまい「日銀買い誘い込み工作」失敗。12月決算銘柄の配当落ち分約27円は前引け段階では全て埋めていた。
為替のドル円は前場からずっと117円台後半だが、上海市場は小幅安水準で停滞。後場はほぼ前引け水準で再開し、いったんマイナスに退いた後で急伸して、1時すぎに19440円まで上がる。前場のような変な駆け引きがなくなれば伸び伸びと上値追いできるのだろうか? 1時に発表された日本自動車工業会の11月の自動車生産・輸出実績は、生産台数は+6.58%で2ヵ月ぶりのプラス。しかし軽は-13.53%でトンネルに入ったまま。輸出台数は+2.0%で4ヵ月連続のプラス。1時台から2時台前半の日経平均は19420~19440円の上下幅におさまり、上値追いの気配もなし。終盤は為替が少し円高に振れるとTOPIXとともに下げマイナスにもタッチ。最後の最後までプラスにもマイナスにもなれそうな展開だったが、結局1.34円のマイナスで反落。ファーストリテイリング<9983>と配当権利落ちのキヤノン<7751>が足を引っ張り、配当落ち分約27円を埋められずじまい。TOPIXは反発し、前日と真逆の組み合わせ。ジャスダック平均は年初来高値更新。ストップ安比例配分になった東芝は、R&I(格付投資情報センター)の格付けが「投機的水準」に2段階格下げされ、まな板の上のコイ。
前日にジャスダックに新規上場し初値がつかなかったティビィシィ・スキヤツト<3974>に初値がついた。公開価格1400円の3.2倍の4500円。今年最後の新規IPOの大トリは1969年創業、社歴47年のベテランの貫禄をみせ締めくくった。「師走の新規IPOまつり」の12月の成績は12勝2敗。2016年の新規IPOはトータル83件(TOKYO PRO MARKET上場、経営統合など公募・売出しを伴わない上場を除く)で、星取は67勝15敗1引き分け。勝率は80.7%だった。2015年の92件、82勝8敗2引き分け、勝率89.1%よりも成績は悪かった。