2016年9月末の国内主要 112 行の預金は691兆8695億6100万円

2017年01月04日 17:21

画・銀行て_営業ノルマ撤廃 サーヒ_ス向上に期待

帝国データバンクは、国内主要112行(大手銀行7行、地方銀行 64行、第二地方銀行41行)の 2016年9月末(9月中間期)の預金(譲渡性預金含まず)、貸出金、預金利息(支出)、貸出金利息(収入)の推移について調査・比較した

 人口減少や人口動態などを踏まえ、将来における地方自治体の消滅や地域経済衰退などが懸念されるなか、銀行の経営競争はより激しさを増し、近年、経営統合など再編のニュースが相次いでいる。さらに今後は、担保や取引実績に頼らない事業性評価による融資先の開拓など、より深く企業を理解・分析する能力が求められるとともに、そうした取り組みやそれぞれの営業エリアの特性は将来の経営状態を占ううえで重要な要素となるだろう。

 帝国データバンクは、国内主要112行(大手銀行7行、地方銀行 64行、第二地方銀行41行)の 2016年9月末(9月中間期)の預金(譲渡性預金含まず)、貸出金、預金利息(支出)、貸出金利息(収入)の推移について調査・比較した。

 2016年9月末の国内主要 112 行の預金(譲渡性預金含まず)は 691 兆 8695 億6100万円となり、2015年9月末比で28兆5696億5200万円増加(4.3%増)。大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の3業態すべてで増加し、なかでも大手銀行(22兆5857億9200万円増、6.3%増)の増加率が高く、増加分全体の 79.1%を占めた。

 また、貸出金は490兆 6098億800万円となり、2015年9月末比で3兆 9252 億8400万円増加(0.8%増)。地方銀行(3.9%増)、第二地方銀行(3.4%増)が増加した一方、大手銀行(1.9%減)は減少し、傾向が分かれた。その結果、2015 年9月末以降の1年間で増加した預金(28兆5696億5200万円増)は同1年間で増加した貸出金(3兆9252億8400万円増)の約7.3倍となり、業態別に見ると、地方銀行、第二地方銀行は貸出金の増加額が預金の増加額を上回り収益改善の傾向が見られたが、大手銀行は預金が22兆5857億円増加した一方、貸出金が4兆8353億円減少し、112行全体の収益バランスを悪化させる形となった。

 預金者に対して支払った預金利息は、2016年9月中間期(2016年4月~9 月)で2911億6000万円となり、2015年9月中間期比で197億6200万円増加(7.3%増)。大手銀行(387億6300万円増、21.7%増)で大きく増加した一方、地方銀行(147億6800万円減、21.8%減)、第二地方銀行(42億3300万円減、17.1%減)で減少した。また、融資先から受け取った貸出金利息は、2016年9 月中間期で3兆408億9800万円となり、2015年9月中間期比で883億7100 万円減少(2.8%減)。大手銀行(265 億 700 万円減、1.7%減)、地方銀行(457 億300万円減、3.9%減)、第二地方銀行(161億6100万円減、4.4%減)の3 業態すべてで減少した。

 さらに、2016年9月中間期の利ざや(貸出金利息-預金利息)は、2兆7497 億3800万円となり、2015年9月中間期比で 1081億3300万円減少(3.8%減)。大手銀行(652億7000 万円減、4.6%減)、地方銀行(309 億 3500 万円減、2.8%減)、第二地方銀行(119億2800万円減、3.5%減)の3業態すべてで減少した。

 地方銀行および第二地方銀行(計105行)を対象とした地域別(本店所在地別)の動向を見ると、9地域全てにおいて、預金、貸出金ともに2015年9月末比で増加した。預金の増加率は、「北海道」(4.0%増)、「九州」(3.9%増)で高く、「四国」(0.5%増)が最も低かった。また、貸出金の増加率は「九州」(5.6%増)、「中国」(5.5%増)、「北海道」(5.4%増)で高く、「四国」(1.6%増)が最も低かった。預金、貸出金ともに「北海道」「九州」の増加が顕著となっているとしている。(編集担当:慶尾六郎)