【今週の振り返り】大発会の大幅高で〃貯金〃して339円上昇の週

2017年01月07日 20:27

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大発会は「掉尾の一振」のリベンジ延長戦。後は円高でもろくも崩れる日経平均に、テロ、ツイッターで牙をむくトランプ・リスクと、年頭から、2017年の縮図のようだった。

 円高の流れは変わらず、後場は下げ幅を拡大して安値を更新して再開。1時台まで19500円台をほぼ維持し、前引け水準まで戻る時間帯もあったが、2時台に崩れ19500円を割り込み、マイナス幅が3ケタになる場面もあった。終盤は少し持ち直して19500円台に戻って大引け。日経平均は反落、TOPIXは続伸し値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を100以上も上回るという痛み分けのような一日だった。日銀のETF買いは、12億円の「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」以外は入っていなかった。新年一発目で本格的に入ったら日経平均はプラスで終わったかもしれない。

 自動車(輸送用機器)セクターはザラ場中の円高進行でプラスに浮上できないまま。12月の自動車販売台数が2時に発表された。登録車は+10.8%で5ヵ月連続プラス。軽自動車は+1.7%で実に24ヵ月ぶりのプラスと、悪くないニュース。2016年トータルでは全体で-1.5%で2年連続マイナス。登録車が+3%でも軽自動車が-9%と悪かったが、軽は年末に長いトンネルをやっと抜けた。アメリカでの12月の新車販売台数はトヨタ<7203>は前年同月比+2.1%、日産<7201>は+9.7%、ホンダ<7267>は+6.4%、富士重工<7270>は+12.3%と軒並み好調だったが、トヨタは0.68%安、日産は0.17%安、ホンダは0.06%安、富士重工は0.50%安、ヨーロッパに強いマツダ<7261>はユーロ高でも1.65%安、軽のスズキ<7269>は0.58%安。この業界は、泣く子と円高には勝てない。

 日経平均終値は73.47円安の19520.69円、TOPIX終値は+1.20の1555.68。売買高は20億株、売買代金は2兆4359億円。値上がり銘柄数は979、値下がり銘柄数は863。プラスは13業種で、その上位は情報・通信、空運、サービス、医薬品、保険、海運など。マイナスは20業種で、その下位は鉱業、金属製品、鉄鋼、パルプ・紙、非鉄金属、ガラス・土石など。上海総合指数は0.21%高。

 6日の日経平均は続落。トルコのイズミルでテロが発生したがヨーロッパ市場は揃って小幅高。NYダウ終値は42ドル安で19900ドルを割り込み3営業日ぶりに反落したが、NASDAQは3営業日続伸して過去最高値更新。S&P500はマイナス。ISM非製造業景況感指数は57.2で市場予測を上回った。雇用統計のオープニングアクト(前座)、12月のADP雇用リポートの雇用者数は+15.3万人で市場予測を下回ったが、新規失業保険申請件数はさらに低下し改善。労働市場で求職者が減って採用難になっても雇用者数は伸びないが、マーケットはわかってくれないのか、雇用統計待ちなのか、軟調だった。

 原油先物価格は週間在庫統計の増加で一時下落したがイラクが減産開始というニュースで反転し小幅高の53ドル台。金先物は上昇。NY市場で特に悪かったのが小売セクターで、三十四丁目に奇蹟は起こらずデパートのメイシーズが大規模な店舗閉鎖と人員削減を発表していた。ツイッターで仮想敵国のメキシコに牙をむくトランプ次期大統領。「敵に味方する者はみんな敵」で、メキシコにカローラ生産の新工場の建設計画があるトヨタに対し「もってのほかだ」と懲罰的高関税をかけると威嚇。トヨタは冷静に反論。メキシコの悲劇。神の国はあまりにも遠く、トランプのアメリカはあまりにも近い。

 為替のドル円はロンドン時間に115円台まで円高が進み、お屠蘇気分を吹き飛ばしそうな戦慄が走る。アメリカの長期金利が低下したことと、まだ就任していないトランプ氏の経済政策の〃いけにえ〃中国の人民元安と、メキシコ中央銀行が必死のドル売りペソ買いの為替介入を行ったペソ安が影響。朝方の為替レートはドル円が115円台前半、ユーロ円が122円台前半。大阪夜間取引終値は19430円。CME先物清算値は19435円。

 日経平均始値は127円安の19393円。高値は2時49分の19472円。安値は9時6分の19354円。終値は66円安の19454円。9時に発表された11月の毎月勤労統計速報値は、実質賃金は-0.2%でマイナスは11ヵ月ぶり。現金給与総額は+0.2%だった。

 「円安・株高」のトランプ・ラリー特急が折り返し運転で逆方向に加速しそうな日経平均は19400円を割り込んで3ケタ安で始まる。TOPIXも2ケタポイント安。ドル円は115円割れ寸前までいき、序盤に19300円台半ばまで下げるが、それを底に反転して9時台のうちに19400円台を回復。10時台はドル円116円に接近する円安に助けられ下げ幅をどんどん圧縮し、16450円を超える。もし東京外為市場でドル買い自国通貨売りの介入があったとしたら、メキシコとは真逆。10時台後半以降はドル円は116円前後、日経平均は19450円前後で動きが乏しくなる。利益確定売りの金曜日、ましてや3連休前、アメリカの雇用統計待ちもあり。そのまま前引けになり78円安でTOPIXもマイナス。日銀のETF買いの「蔵出し、初荷」の可能性が高まった。

 後場はほぼ前引け水準で再開。0時台は前場に続いて19450円前後の小動きだったが、1時台に下落して19400円を割る。しかしそれも一時的で底堅い。為替のドル円は115円台後半を維持。薄商いの中、2時台は19450円付近での値動きに戻って動きが乏しくなる。終盤は3連休を前に19400円台後半で下げ幅を圧縮。しかし結局19500円タッチもプラス浮上もできず、大引け間際に売りが入って19545円で終了。TOPIXは4営業日ぶりの2017年で初めてのマイナスだった。

 この日、新年最初の日銀のETF買いが入っていた。1月の規模は703億円で12月比で39億円減。1年間の予算は6兆円で、月にならすと5000億円。それを703億円で割ると1月は7回、買い入れできる計算。