酪農業界でも長時間労働是正 搾乳ロボットに助成金

2017年01月19日 07:55

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長時間労働が慢性化している酪農業界。今年から農林水産省は60億円を投じ、給餌や搾乳を自動化するロボットの導入を助成する

 昨年、大手広告代理店の電通<4324>の女性新入社員の自殺事件を皮切りに、厚生労働省は長時間労働に対する取り締まりを強化。長時間労働を是正すべきという世論も高まっている。これまで広告代理店や小売業界などの長時間労働がクローズアップされてきた傾向があるが、それ以外にも長時間労働が慢性化している業界がある。その1つが酪農業界だ。
 
 もちろん牛が相手なので給餌などの世話は毎日行わなければいけないし、乳牛は毎日朝晩2回の搾乳を行わないと体調が悪化する可能が高いと言われている。酪農単一経営の就業者1人あたりの年間労働時間は全国平均で2300時間、特に農場の規模が大きい北海道においては2500時間にも及ぶ。労働白書によると2014年度の日本人の平均労働時間が1,29時間なので、44%ほど労働時間が多い計算となる。酪農家は朝早く、肉体労働も多いため、牧場に就職しても離職する若者が多く、人材不足も深刻化しているという。

 自動で給餌し、餌を食べに来た乳牛の搾乳を行うロボットを導入し、効率化を計る牧場もある。農林水産省が公表している事例によるとロボットを導入することにより、給餌・搾乳時間が11%減少し、搾乳量も12%増加することができ、売上も上昇したという。ただ「初期投資のコストが高いため、規模を拡大し、生乳生産量を増やして設備投資に見合う収益を高めたい」というコメントが今後の課題点として挙げられている。導入経費が3000万円ほど掛かることもあり、導入は赤字覚悟。設備投資に資金を回せない牧場も多く、なかなか普及していないのが現状だ。

 そこで農林水産省は17年度から酪農従事者の労働負担を軽減し、酪農の持続性を高めることを目的に、60億円を投じて給餌・搾乳を自動化するロボットの導入を助成する。

 人材不足に設備投資もできず、酪農経営者や就農している若者たちが長時間の肉体労働で疲弊していく状況が今回の助成でどう変わるのか、日本の酪農の未来を救うきっかけとなることを願う。(編集担当:久保田雄城)