一般財団法人 日本気象協会は、全国・都道府県別の2017年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第3報)を前シーズン比、例年比に分けて発表した。
それによると、2017年春のスギ花粉の飛散開始は、例年並みとなるという。2月上旬に九州北部や中国・四国・東海地方の一部から花粉シーズンが始まる見込み。 この先1月下旬から2月にかけて、全国的にほぼ平年並みの気温となる。この時期の気温が平年より高いとスギ花粉の飛散開始は早まる傾向となるが、2017年春のスギ花粉の飛散開始は、全国的に例年並みとなる見込みだとしている。
ただし、スギ花粉は飛散開始と認められる前から、わずかな量が飛び始める。2月上旬に飛散開始が予測される地域では、1月のうちから花粉対策を始めるとよいとすすめている。
また、スギ・ヒノキ花粉の飛散数がピークになる時期は、花粉シーズン中の気温や予想される総飛散数と関係があると考えられるという。2月の気温はほぼ平年並み、3月の気温は平年並みかやや高い予想だが、ピーク時期を早めるほどではない。このため、スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は例年並みの見込み。
スギ花粉のピークは、福岡は2月下旬から3月上旬、高松・広島・大阪・名古屋・東京は3月上旬から中旬になる。金沢と仙台は3月中旬から下旬にピークを迎える見込み。スギ花粉のピークが終わった後は、各地でヒノキ花粉がピークを迎えるとしている。金沢と仙台は4月にヒノキ花粉が飛散するが、飛散数が比較的少なく、前シーズンに続き今シーズンもはっきりとしたピークはない見込み。
2017年は、九州・四国・近畿・東海地方で非常に多く、中国地方で多く飛散する見込みです。北陸地方はやや多い。関東甲信地方ではやや少なく、東北地方と北海道では少ない見込み。
2016年の夏は、全国的に気温が高くなった。日照時間は、北海道・北陸・東海・近畿・四国・九州地方のほとんどで多く、特に九州北部では非常に多くなった。また、北海道では前線や低気圧、台風の接近や上陸などの影響を受け、降水量が記録的に多くなった。
九州・四国・近畿・東海地方では高温・多照などの花芽が多く形成される気象条件がそろうため、多くの地域で花粉の飛散数は例年を上回る予測となっている。また、北陸・中国地方では、例年並みの飛散数となる見込み。一方、東北・関東甲信地方では、飛散数は例年よりやや少なく、北海道では非常に少ないとしている。(編集担当:慶尾六郎)