2017年の花粉飛散量は猛暑の影響で平年の全国平均で1.2倍、多い所で1.5倍に

2016年10月09日 07:56

 ウェザーニューズ<4825>は、2017年の花粉シーズンにおける全国の花粉飛散傾向(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。

 2017年の花粉飛散量は、2016年の西日本を中心とした猛暑の影響で花粉の雄花の生育に適した気象条件となり、平年(2008?2016年平均)の全国平均で1.2倍、多い所で1.5倍の予想。また、花粉飛散量が少なかった2016年と比べると、一気に増えて、全国平均で4.3倍、近畿や九州では8?10倍となるエリアもある予想であるという。特に西日本では広範囲で3年振り、特に京阪神などでは4年振りの大量飛散となる恐れがある。一方、関東や東北南部太平洋側などでは湿った空気や台風の影響で曇りや雨の日が多く、2016年よりは多いものの平年より少ない予想だという。
 
 一般的に、前年の夏に十分な日照があり、夏らしい暑さであるほど、植物の光合成が盛んになるため、花粉の発生源となる雄花の生産量は多くなる傾向がある。 2016年の夏は、西日本では梅雨明け後は高気圧が強い状態が続き、特に8月は晴れて猛暑となった。ここ数年、曇りや雨が多い天候不順の傾向であったため、西日本では3年振りに雄花の生育に適した夏となった。一方、関東、東北南部太平洋側、北海道の道東エリアでは、湿った空気や相次ぐ台風の影響を受けて曇りや雨の日が多くなり、雄花の生育に適した天候ではなかったと言える。

 花粉の飛散は多い年と少ない年が交互にやってくることが多く、例えば、花粉が多く飛散する“表年”の翌年は、飛散量が減少する“裏年”となる傾向がある。2016年は多くのエリアで“裏年”だったため、2017年は“表年”となり、花粉が増加する予想だという。 ただ、北海道や九州では“表年”“裏年”の飛散量の増減があまり明瞭ではなく、夏の天候に大きく影響される傾向があるとしている。

 北海道は、2017年シーズンのシラカバ花粉の飛散量は、平年よりやや多く1.28倍、2016年の2.57倍となる予想。東北北部は2017年シーズンの予想飛散量は、青森県で平年の1.29倍など、平年よりやや多くなる予想。東北南部は、山形県では平年よりやや多く1.28倍、太平洋側では平年並の予想だという。

 関東は、2016年よりは多くなるが平年より少なく、東京都は0.56倍、群馬県は0.89倍の予想である。北陸・甲信北部(長野県北部)は、長野県北部では平年並だが、新潟県で平年の1.10倍、福井県で1.41倍など、平年よりやや多い?多い予想である。東海・甲信南部(長野県中南部と山梨県)は、東海は三重県で平年の1.28倍、愛知県で1.25倍など平年よりやや多く、山梨県はやや少ない予想である。

 近畿は、平年より多くなる所が目立ち、兵庫県では平年の1.47倍、京都府では1.46倍、また、2016年比は5?10倍の予想。山陰は、平年より多く、鳥取県では1.47倍、島根県では1.39倍、また2016年比は鳥取県で5.56倍、島根県で6.37倍の予想である。山陽は、平年より多くなる所が目立ち、山口県では1.48倍、広島県では1.44倍、また2016年比は山口県で4.78倍の予想である。四国は、2016年比は4?6倍で、平年比は徳島県で1.48倍、高知県で1.47倍など平年より多くなる予想である。

 九州北部は、平年より多くなる所が目立ち、佐賀県で平年の1.49倍、福岡県で1.48倍、また、2016年比は3?10倍の予想である。九州南部は、平年より多く宮崎県で1.43倍、鹿児島県で1.17倍、また、2016年比は宮崎県で4.82倍、鹿児島県で6.43倍の予想である。(編集担当:慶尾六郎)