Googleは2月3日、日本語検索における信頼性の低いサイトへの対策を発表した。検索結果の上位への表示を主目的とするサイトの順位を下げ、信頼性が高い高品質なサイトを、より上位に表示する。2月10日現在、この対策の効果は既にあらわれつつあるようだ。
Googleは2月3日、日本語検索における信頼性の低いサイトへの対策を発表した。検索結果の上位への表示を主目的とするサイトの順位を下げ、信頼性が高く有用な情報を提供する高品質なサイトを、より上位に表示する。2月10日現在、この対策の効果は既にあらわれつつあるようだ。
昨今問題となっていた、SEO対策に特化したキュレーションサイトの乱立。検索結果の順位を上げるために、他のサイトやブログなどから記事を無断で転載したり、引用条件を満たさない状態で引用したり、リライト(内容はほぼ同じままで言い回しを変えて書き直すこと)するなどして、記事の掲載量を水増ししていた。また、こういった記事の大半が低報酬で専門知識のないクラウドワーカーに外注されていたために、医療、法律などの分野で明らかに誤った内容が掲載されている、などの問題もあった。
このように信頼性が低く、かつ著作権侵害が疑われるサイトがネット上にあふれかえるに至って、利便性を損なわれたネットユーザーや記事の転載元から、批判の声が高まっていた。その結果、昨年12月には大手メディア事業者DeNAが運営する「WELQ」が閉鎖に追い込まれ、他の著名なキュレーションサイトも相次いで閉鎖や記事の削除を行った。このような状況を鑑みたGoogleが、検索結果のアルゴリズムを見直して、ウェブサイトの品質評価方法に改善を加えたと見られる。
具体的には、オリジナルかつ有用なコンテンツを掲載している高品質なサイトが、より上位に表示されるようになる。Googleは以前からも定期的に品質評価アルゴリズムの改善を行なってはいたが、これまでの対策は、ガイドライン違反への警告が主だった。しかし今回は、Googleの品質評価方法を「利用」して、実際のクオリティ以上の順位に表示させていたサイトを対象にしている。明確なガイドライン違反ではないものの、SEO対策の悪用に「NO」を突きつけた形だ。また、オリジナルではあっても内容の薄いテキスト主体のサイトも対象としており、それらのサイトの表示順位も下落しはじめている。
Googleは「今後も品質評価アルゴリズムのさらなる改善を行なう」と発表している。検索の精度はさらに増していくと見られており、サイトの粗製濫造によって安易な広告費ビジネスを展開していたメディア事業者は、サイト本来の品質と信頼性を高める努力を問われそうだ。(編集担当:久保田雄城)