IDCの10大予測によれば、ロボットの活用形態に関してはロボットのためのPaaS(Platform as a Service)、「Robot as a Service」での活用が広がり、19年までに商用サービスロボットアプリケーションの30%がRobot as a Serviceの形態で提供される。また、20年までにロボットの60%で、組み込まれるプログラムがクラウドで提供され、クラウドマーケットプレイスが形成され始めるとのこと。
ロボティクスの発展は、製造業のみならず多くの産業で既存事業の枠組みの破壊を加速していく。こうしたなか、ロボティクスの今後の動向を把握しておくことは、プレイヤーのみならずエンドユーザーにとっても生存戦略を決定していくうえで重要となる。これには、IDC発表による世界ロボティクス関連市場の2017年~20年の進展や動向に関しての10大予測が参考になる。
IDCの10大予測によれば、ロボットの活用形態に関してはロボットのためのPaaS(Platform as a Service)、「Robot as a Service」での活用が広がり、19年までに商用サービスロボットアプリケーションの30%がRobot as a Serviceの形態で提供される。また、20年までにロボットの60%で、組み込まれるプログラムがクラウドで提供され、クラウドマーケットプレイスが形成され始めるとのこと。ロボティクス導入サポートに関しても、新規参入が相次ぎ選択肢が増加するほか、ロボティクスを対象とした規制の導入も始まると予測されている。
ロボット活用に関する決定が今後さらに重要となることから、CTOなどに代わってロボティクス領域での知見を備えた専門家が必要とされる。このことから、19年までに主要企業の30%はChief Robotics Officer(最高ロボティクス責任者)や組織内にロボティクス専任者を配置するとのこと。一方、ロボティクス関連人材の平均給与は最低60%上昇するが、35%の人材不足が予測されている。
ロボットの性能の向上も目まぐるしく、18年までに新規導入されるロボットの30%は、既存ロボットの3倍の速度で動作。20年までに商用ロボットの40%はメッシュネットワークに接続され、運用効率は全体的に200%改善するとのこと。ロボティクス活用産業に関しては、工場以外でのロボット導入が拡大し、19年までに物流、医療、公共/公益、資源の主要企業の35%は、ロボットを活用した運用自動化に取り組み始める。eコマース領域でのロボティクス活用はさらに顕著で、18年までにはグローバルeコマース/オムニチャネル企業の主要200社のうち45%で、倉庫内の受注処理業務や配送業務にロボティクスを導入すると予測されている。
ロボティクス活用に対しての早期取り組みは、多くの産業において市場競争力を担保するために必須だといえる。情報収集から関連産業の見通しを立て、人材採用や予算枠の確保などを戦略的に進めることで、きたるべきロボティクス社会に備えられたい。(編集担当:久保田雄城)