日経平均終値は34.99円安の19344.15円、TOPIX終値は+0.14の1555.04。売買高は15億株、売買代金は1兆9866億円で2兆円割れ。値上がり銘柄数は841、値下がり銘柄数は985。プラスは18業種で、その上位は石油・石炭、鉱業、海運、倉庫、その他製品、ヤマトHDが属する陸運など。マイナスは15業種で、その下位は非鉄金属、銀行、鉄鋼、ゴム製品、ガラス・土石、化学工業など。上海総合指数は0.26%高だった。
8日の日経平均は、春は名のみの4営業日続落。ヘルスケアの大市場アメリカでは共和党のオバマケア代替案発表に合わせ、トランプ大統領が「ツイート」で薬価の引き下げに意欲的な姿勢をみせたため、ヨーロッパの株価はドイツ以外は下落。医薬品はEU経済の最重要産業。NYダウはプラスの時間帯もあったが29ドル安で続落。NASDAQもS&P500もマイナス。雇用統計待ちに来週の予算教書待ち、FOMC待ち、オランダ総選挙待ちで、待って様子見ばかり。原油先物価格は続落しても53ドル台維持。金先物は6営業日続落した。
アメリカの1月の貿易収支は+9.6%の赤字拡大。赤字額は485億ドルで2012年3月以来の高水準。対メキシコは赤字大幅縮小、対日赤字は-16.2%、対ドイツも赤字が減ったが、対中国では赤字拡大。消費者信用残高は市場予測を下回った。OECD(経済協力開発機構)の経済見通しが発表され、2017年の日本は前回から0.2ポイント上方修正され+1.2%。アメリカは0.1ポイントの上方修正で+2.4%、ユーロ圏は+1.6%、世界全体は+3.3%。2016年通年のブラジルのGDP成長率はリオ五輪があったのに-3.6%の大幅マイナス成長。2017年は反動でプラスの予測が多い。アメリカの長期金利は2.5%台に上昇したが為替のドル円は113円台の時間が長く、朝方は114円近辺。ユーロ円は120円台半ば。大阪夜間取引終値は19370円。CME先物終値は19340円だった。
日経平均始値は35円安の19308円。高値は9時3分の19326円。安値は10時36分の19198円。終値は90円安の19254円。取引開始前に財務省から発表された1月の国際収支速報値は、経常収支が655億円の黒字で31ヵ月連続の黒字。黒字幅は前年同月比-89%の大幅縮小。原油価格上昇などで8534億円の赤字になった貿易収支が足を引っ張った。サービス収支は2357億円の赤字。旅行収支はインバウンド消費で黒字幅拡大。内閣府から発表された10~12月期のGDP(国内総生産)改定値は年率換算+1.2%で速報値から0.2ポイント上方修正されたが、市場予測+1.6%は下回った。
「メジャーSQ週の水曜日」の日経平均は19300円台で始まるが、序盤で滑り落ちる。9時台は19280円前後にとどまるが、10時台に19200円を一時割り込む水準まで下落。為替のドル円は113円台後半で徐々に円高方向に向かう流れだが、先物主導の仕掛け売りで一気に崩れることはない。11時台には19250円付近まで戻して前引け。97円安でTOPIXもマイナスと条件は十分に満たしているが、最近ごぶさたの日銀のETF買いは、来てくれるのか?
後場は前引けよりもやや安く再開し、19240円を軸にその前後プラスマイナス20円の幅での小動きが延々と続く。ドル円が113円60銭付近で折り返し円安方向に向かっても反応薄。1時30分に東京商工リサーチが発表した2月の企業倒産は前年同月比-4.8%の688件で2ヵ月連続のマイナス。2月としては1991年以来26年ぶりの低水準。負債総額は前年同月比-29.1%減で2ヵ月ぶりのマイナス。金融緩和が継続しているおかげ。内閣府が2時に発表した1月の景気動向指数速報値は、一致指数は-0.7ポイントの114.9に下落し2ヵ月連続のマイナス。先行指数は+0.6ポイントの105.5に上昇。景気の基調判断は4ヵ月連続で「改善を示している」で据え置き。その後も波風は起きず、日経平均は最後に19250円を超えて大引け。2日連続2ケタだった日中値幅は3ケタの128円にひろがったが、何かにおびえているかのような4営業日続落。日銀のETF買いが3月になってから初めて入った(12億円の「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」を除く)。金額は2月よりも20億円多い724億円だった。
0.55%高の任天堂は「スイッチ」発売日の3日から4営業日続伸。日経ジャスダック平均はとうとう19営業日続伸。これはきっと「マルチバース」の多元宇宙。トランプ大統領の必殺技「ツイート」で「薬の値段が高い」と無慈悲な鉄槌が下り、ヨーロッパもアメリカも死屍累々の医薬品セクター。日本でもトランプ氏の毒気に当たって大物が揃って討死。武田薬品<4502>は0.80%安、アステラス製薬<4503>は0.74%安、大塚HD<4578>は0.74%安、第一三共<4568>は0.53%安、エーザイ<4523>は1.68%安、塩野義<4507>は0.29%安。アメリカは新薬の治験でも重要な国だが、政権交代でやりにくくなるのだろうか?
日経平均終値は90.12円安の19254.03円、TOPIX終値は-4.79の1550.25。売買高は16億株、売買代金は2兆144億円。値上がり銘柄数は771、値下がり銘柄数は1073。プラスは9業種で、その上位は精密機器、建設、金属製品、保険、ゴム製品、サービスなど。マイナスは24業種で、その下位は鉄鋼、証券、海運、非鉄金属、その他金融、医薬品など。上海総合指数は0.05%安だった。