【今週の振り返り】トランプ・ラリーが終了し259円下落した週

2017年03月25日 11:44

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昨年11月9日919円安、10日927円高は「トランプ・ラリー」という名の4ヵ月以上続いたトレンドの始まりだった。それは今週22日、414円安で終わった。

 前日、日立製作所<6501>は日立マクセル<6810>株の14.76%相当分を売却すると発表。「選択と集中」の一環で、日立マクセルは日立の持ち分法適用会社から外れるため、社名を10月1日にマクセルHDに変える。協力関係は維持。日立は2.60%安、日立マクセルは8.43%安の大幅下落で値下がり率1位。親会社の光は七光りで、「日立」の看板がないと不安あり、なのだろうか? お互いの資産管理銀行の合併で合意したみずほFG<8411>は2.13%安、三井住友トラストHD<8309>は3.58%安。三井住友のFG<8316>とトラストの間に資本関係はなく、三井住友一家の、他人に限りなく近い親戚。徳川家康の家来の本多正信と本多忠勝のようなもの。

 任天堂<7974>はみずほ証券が「スイッチ」を高く評価して目標株価を4万円に引き上げたこともあり、+43.4%の大幅高で5営業日続伸し孤軍奮闘。前日に発表された公示地価は住宅地の全国平均の下落が止まり9年ぶりの上昇に転じた。不動産大手は三菱地所<8802>は3.25%安、三井不動産<8801>は2.52%安、住友不動産<8830>は3.10%安、野村不動産HD<3231>は1.11%安、東急不動産HD<3289>は2.40%安。ビルや商業施設を賃貸する大手不動産会社にとって地価上昇は、メーカーで言えば「原材料費の高騰」なので決していいことではない。ただし不動産取引が活発になれば「売買仲介」のセグメントには好影響が出る。

 新規IPOが2件。札幌市が本社で、自動ドア開閉装置、ステンレス建具の製造、販売、施工、保守を手がけるフルテック<6546>が東証2部に新規上場。公開価格600円の2.05倍の1230円の初値がつき白星。ネットリサーチ(アンケート調査)最大手のマクロミル<3978>が東証1部に上場。公開価格1950円より4.25%安い1867円の初値がついた。2年11ヵ月ぶりの再上場だが投資ファンドがからむと投資家から「EXIT(イグジット)売り抜け案件」と色眼鏡で見られてしまう宿命を背負い、地合いも悪かったが3月の「春のIPOまつり」で初の黒星を喫した。

 前日の東証マザーズの新規IPOは2件とも初値が持ち越しになっていたが、インターネットインフィニティー<6545>は公開価格1320円の3.81倍の5040円の初値がついた。博多ラーメン「一風堂」の力の源HD<3561>は公開価格600円の3.71倍の2230円の初値がついた。ともに会心の白星。

 日経平均終値は414.50円安の19041.38円、TOPIX終値は-33.22の1530.20。売買高は20億株、売買代金は2兆6583億円。値上がり銘柄数は107、値下がり銘柄数は1854。プラスは任天堂率いるその他製品1業種。マイナスは32業種で、その下位は保険、証券、海運、銀行、輸送用機器、鉄鋼など。上海総合指数は0.55%安だった。

 23日の日経平均は4営業日ぶりに反発。22日にロンドンのテムズ川にかかるウエストミンスター・ブリッジでクルマが歩行者を次々とはね、さらに開会中の国会議事堂に突入しようとして阻止され警官が刺されるテロ事件が発生した。5人死亡。フランスから来た高校生など40人以上負傷。犯人は射殺。18日にパリのオルリー空港でテロがあったが、ロンドンでは最近なく、テロは忘れた頃にやってくる。ユーロ圏の経常収支は黒字額が減少しヨーロッパの株式市場は揃って続落した。

 NYダウも軟調で終盤一時プラスになったものの6.71ドル安で5営業日続落。アップルなどハイテクセクターは健闘しNASDAQ、S&P500はプラスだった。原油先物価格は下落したが48ドル台を維持。暖房需要が減る春になり原油在庫は6.3%増加し輸入も増加しているので、原油はどうしても弱含み。金先物はリスクオフで5営業日続伸。中古住宅販売件数は-3.7%で市場予測を下回り、在庫は-6.4%、価格は+7.7%。アメリカは「中古住宅は物件数が足りない上に、強気の値段をつけられて買えない」状況で、住宅需要に影がさしたわけではない。為替レートは、長期金利低下と英国のテロによるリスク回避の円買いでドル円は一時、4ヵ月ぶりの110円台になったが朝方は111円台前半。ユーロ円は120円近辺。大阪夜間取引終値は18920円。CME先物清算値は18915円。権利配当落ち分の約130円を足すと19045~19050円。

 日経平均始値は7.46円高の19048円。高値は2時58分の19105円。安値は10時22分の18973円。終値は43円高の19085円。9時に厚生労働省が1月の毎月勤労統計確報値を発表した。速報値が前年同月比横ばいだった実質賃金は-0.1%に下方修正。+0.5%だった現金給与総額は+0.3%に下方修正。+0.8%だった所定内給与は+0.6%に下方修正。+0.2%だった所定外給与は-0.2%に下方修正されマイナスに変わった。速報値が-3.7%だった特別に支払われた給与は-2.0%に上方修正された。速報値が+2.5%だったパートタイム労働者の時間あたり給与は+2.0%に下方修正されていた。