学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる問題は当時理事長だった籠池泰典氏の28日の民進党の招致に応じた中での発言や籠池氏が国有地に新たなゴミが見つかったことに関し、財務省本省で理財局・田村嘉啓国有財産審理室長との交渉時にICレコーダーで録音したという内容から、政府側説明とのかい離が広がり、「特別な力」が働いた疑惑が一層深まった。
同時に、籠池氏は28日の民進党の招致の中で『当時、定期借地契約したいと考え、10日に一度は近畿財務局に出向いていた。昭恵夫人には近畿財務局と交渉の都度、交渉の経緯などについて報告していた。財務省担当者には昭恵夫人に交渉の報告をしていることを伝えていた。それまで契約に難色を示していた財務省が平成26年夏ごろ、突然、契約に前向きになってくれた。田村室長が言う録音の中で『特例』と言ったのは、このことを指していたのではないか」と語った。
こうした籠池氏の発言や昭恵夫人付き秘書だった谷査恵子氏(公務員)の財務省への問い合わせ、ファックスでの籠池氏への返答など、これまで明らかになっている経緯からは『国有地払い下げに全くかかわっていない』とする政府側説明とは事情が相当に異なることが浮き彫りになってくる。
『特例』として財務省などが忖度したとすれば、昭恵夫人がその忖度に大きな影響を与えたのではないか。
証人喚問で証言し、学園理事長のポストを追われた籠池氏の発言や、その後の籠池氏の発言に対し、否定する行政側や交渉の経過を都度、報告していたと言われた昭恵夫人には、総理夫人として、国民に対する重い説明責任が存在することは否定できない。真相解明へ、政府・与党は国民に対する責任として協力すべきだし、野党の力量にも期待がかかる。
民進党はHPで「昭恵氏がファクスで(森友学園が創設する小学校の)名誉校長の辞任を伝えたとされる問題について『私が辞任したことは知らなかった』と昭恵氏が籠池夫人にメールで語っていた、と証言。東京の安倍晋三事務所が昭恵氏の意向を一顧だにせず、辞職を届け出ていたという」と発信した。
また籠池氏が「小学校建設をめぐる安倍総理と昭恵夫人のかかわりについて『非常にあった』と断言した」とも伝えた。なおさら、政府・与党は真相解明に協力すべきだろう。(編集担当:森高龍二)