東京や大阪などでプレミアム感のあるカプセルホテルを展開するファーストキャビンは東京駅から徒歩5分の距離にあるコインパーキング跡地に9階建ての「ファーストキャビン京橋」をオープンした。
館内の部屋数は定員2名のプレミアムクラスと部屋やベッドが広めのファーストクラス、標準的なビジネスクラス合わせて238室あり、これまでのファーストキャビンの店舗の中では最大級となる。
ファーストキャビンは旅客機のファーストクラスをイメージした高級感を特徴としている。ファーストクラスは広さ4.4平方メートルを確保、ビジネスクラスは室内空間を高く取って圧迫感を減少させた。ロビーはビジネスホテルよりも豪華なイメージを打ち出し、大浴場には大きな間仕切りを設けて個室感を強めている。
カプセルホテルは旅館業法における簡易宿所となるため法律上、部屋に施錠することはできないが、女性でも安心して利用できるように各フロアを男女別にし、受付から部屋に向かうエレベーターと各フロアのドアにカードキーのセンサーを設けてセキュリティ強化を図っている。
カプセルホテルといえば、終電に乗り遅れたサラリーマン男性が利用する宿泊施設というイメージが強かったが、最近はファーストキャビンを始めとして高級感や広い部屋をセールスポイントとするカプセルホテルが都市部を中心に増え始めている。
オリックス<8591>は2016年10月に開業した「THE PRIME POD 銀座東京」に次いで「THE PRIME POD 京都」を17年2月にオープン、有線放送のUSEN<4842>も東京都内の社員寮を改装して女性専用のカプセルホテル「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」を運営している。
カプセルホテルの高級化背景にあるのは訪日する外国人観光客の急増だ。カプセルホテルに宿泊する外国人観光客は少なくないが、体型の大きい欧米人にはベッドが狭く、また施錠できないことから女性観光客には抵抗感があった。
国際連合の専門機関である世界観光機関の発表によると、15年の世界観光ランキングで日本は16位、約1973.7万人の国際観光客到着数があった。16年の速報では約2403.9万人を記録しており、16位を更新するのは確実と見られている。
広くて高級感のある新形態のカプセルホテルは従来の利用者だけでなく、外国人観光客の利用増加が見込まれることから今後、都市部でさらに増えることが予測される。(編集担当:久保田雄城)