改憲道筋鮮明に示すことは国民各層の願いと自民

2017年05月05日 07:22

 自民党は憲法施行70周年を迎えた3日の憲法記念日にあたり「憲法施行70年という節目を契機に、新しい時代の理想の姿を描き、憲法改正に向けた道筋を鮮明に示すことは、国民各層の願いだ」として「こうした認識のもと、衆参両院の憲法審査会等で議論を深め、各党とも連携を図りながら、憲法論議を加速させていく」との談話を発表した。

 憲法改正への筋道を示すことが「国民各層の願い」とした。NHK世論調査では改正必要は43%、必要ないは34%。一方、戦争の放棄を定めた「憲法9条」の改正については改正が必要は25%、改正の必要はないは倍以上の57%だった。

 党談話では「現行憲法が施行され70年の節目を迎えた。この間、わが国は不断の努力で平和と繁栄を築き上げ、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という基本原理は普遍的価値として国民のなかに定着している」と基本原理3原則は国民に普遍的価値として定着しているとした。

そのうえで「わが国を取り巻く情勢は70年間で大きく変化しており、時代の変化に即し未来への責任を果たしていかねばなりません」と改憲の必要を提起。「憲法改正は国民投票において国民の過半数の賛成が必要なため、憲法改正への理解促進と国民各層の幅広い合意形成に向けた活動をこれまで以上に党を挙げて取り組んでいく」としている。

 自民党は党是として「自主憲法制定」をあげている。また安倍晋三総裁は改憲への意欲を特に強く表明し、今月1日の新憲法制定議員同盟(会長・中曽根康弘元総理)が主催した「新しい憲法を制定する推進大会」でのあいさつでは「もはや憲法を不磨の大典と考える国民は非常に少数になってきたのではないか」と語り、改憲へ「いよいよ、機は熟してきた」と強調。「(憲法施行70周年という)節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す」と改憲への決意を露わにしていた。一方で、安倍総理は自民党の憲法改正草案については「そのまま、憲法審査会に提案するつもりはない」と語っている。(編集担当:森高龍二)