日本共産党の志位和夫委員長は4日、「首相の言う『憲法9条に自衛隊を明記』とは、単に自衛隊の存在を憲法上追認するにとどまらない」とツイッターで発信し、警鐘を鳴らした。
志位委員長は「安保法制でもなお一定の制約が残された自衛隊の海外での武力行使を、文字通り無制限にする。ここに狙いがある」としている。
志位委員長は「仮に憲法9条2項が残されても空文化されるだろう。憲法9条を丸ごと死文化する改悪を絶対に阻止しよう!」と訴えている。
ツイッターは安倍晋三自民党総裁が3日の改憲派集会に寄せたメッセージの中で、「憲法は国の未来、理想の姿を語るもの」と持論を展開したうえで「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい、と強く願っている」と語り、自衛隊について「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値するのだろうと思う」と語っていたことを取り上げたもの。
安倍総裁はこの中で「私たちの世代の内に自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、自衛隊が違憲かもしれないなどの議論が生まれる余地をなくすべきであると考えます」とアピールしていた。
憲法9条に関しては、改正する必要があるかどうかのNHK世論調査では、改正が必要は25%、改正の必要はないは57%だった。9条が戦後70年の歴史の中に果たし続けている役割と重みを認識している世論が多い結果になった。
憲法9条1項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。
憲法9条2項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」。(編集担当:森高龍二)