立法府審議のありように強い介入発言には違和感

2017年05月09日 07:26

 民進党の野田佳彦幹事長(前総理)は8日の記者会見で、自民党総裁としての断りがあったとはいえ、安倍晋三総理が憲法9条改正に言及し、改正憲法の施行を目指す時期を語るなど、立法府の審議のありように強く介入する対応に「極めて違和感を覚えざるを得ない」と強く問題視した。

 野田幹事長は憲法9条(戦争の放棄)について9条1項と2項を残したうえで、自衛隊を3項に書き込むという安倍総裁の考えに「自民党内でどれくらい議論されたのかよく分からない」との受け止めを示した。

 また「憲法審査会で丁寧に議論を積み上げているときに、行政府の長がオリンピックを開く2020年までに(改正憲法を施行)とか、国会議論の活性化のためにとか、立法府の審議のありように非常に強く介入される形で、こういう発言をされたことについては極めて違和感を覚えざるを得ない」と総理の姿勢に疑問符を付けた。

 このほか野田幹事長は政府・与党が今国会で創設を目指すテロ等準備罪(共謀罪)について「組織的な犯罪を撲滅するための条約には賛成している」としたうえで「今の閣法(テロ等準備罪創設のための政府案)でなくても、その条約は締結できる立場だ」とし「テロ対策が必要であるのは言うまでもないので、われわれがテロ対策と現時点で考えるものを法案として提出したい」と独自に必要な法案を出していくとした。(編集担当:森高龍二)