アサヒビールは、日本自然エネルギー株式会社と2009年4月より「グリーン電力」に関する契約を締結していた。「グリーン電力」とは、太陽光や風力、バイオマスや地熱など自然エネルギーで発電された電気のことで、CO2を排出せず地球温暖化の防止や枯渇しないエネルギーであるといった価値を併せ持っている電力の総称。
意外に世に知られていないが、アサヒビールは食品業界で初めて、製品「アサヒスーパードライ」の製造に自然エネルギーを活用しており、2016年12月末で、「グリーン電力」を用いたスーパードライ累計製造本数が100億本を突破した。また、今年は「アサヒスーパードライ」が、発売から30年を迎えた。
アサヒビールは、食品業界で初めて商品製造にグリーン電力を活用した企業。
この取り組みは、全工場で製造するすべての「アサヒスーパードライ」缶350mlとギフトセットのビール類の製造に使用する購入電力相当量として、自然エネルギーであるバイオマス発電や風力発電によるグリーン電力を活用するもの。その対象となった製品には「グリーン・エネルギー・マーク」を表示している。
活用した累計のグリーン電力量は、食品業界として最大規模の累計約1.6億kWhであり、これは一般家庭が1年間で使用する電力の約3万7000世帯分(1世帯当たり年間使用量4432kwh/年)相当だ。これをCO2の削減量に換算すると、累計約7万7700トンで、杉の木約500万本相当のCO2吸収量に相当する。
当社が使用しているバイオマス発電によるグリーン電力は、森に縁の深い発電事業者がつくっています。使っている原材料は、主に木材端材などの「森の恵み(森林バイオマス)」と呼ばれる素材だ。この森林バイオマスを燃焼し発電した電力を使って生産した「アサヒスーパードライ」を購入していただくことは、結果的に森林保全につながるとアサヒビールは説明している。
「グリーン・エネルギー・マーク」は、2008年5月に「グリーンエネルギー認証センター」が制定したマークで、製品の製造時に使用する電力がグリーン電力であることを示すマークだ。アサヒグループ本社ビルで使用する電力についてもグリーン電力で賄っている。
アサヒグループは「環境ビジョン2020」に“自然の恵みを明日へ”という思いを込めており、今後も太陽光や風力、バイオマスなどの自然エネルギーの利用拡大や省エネルギーを推進していくとしている。(編集担当:吉田恒)