テロ等準備罪廃止へ取り組む 日本弁護士連合会

2017年06月19日 06:33

日本弁護士連合会は新設が決まった「テロ等準備罪」(共謀罪)について「成立した法律の廃止に向けた取り組みをする」と18日までに会長声明を発表した。法律の恣意的運用についても、そうしたことが行われないよう注視していくとしている。

 中本和洋会長は「市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いことから、法案に反対してきた」としたうえで、「政府が説明しているにもかかわらず、(1)一般市民が捜査の対象になり得るのではないか、(2)「組織的犯罪集団」に「一変」したといえる基準が不明確ではないか、(3)計画段階の犯罪の成否を見極めるために、メールやLINE等を対象とする捜査が必要になり、通信傍受の拡大など、監視社会を招来しかねないのではないか、など様々な懸念は払拭されていないと言わざるを得ない」と多くの問題が残ったままだと指摘している。

 中本会長は「277にも上る対象犯罪の妥当性、更なる見直しの要否についても十分な審議が行われたとは言い難い」と指摘した。

 そのうえで「日弁連として『法律が恣意的に運用されることがないように注視』し、全国の弁護士会及び弁護士会連合会とともに、『今後、成立した法律の廃止に向けた取り組みを行う』所存である」と廃止を目指す方針を明確にした。(編集担当:森高龍二)