籠池泰典森友学園前理事長は20日、国有地が鑑定価格より8億円安く値引きされるなど「神風が吹いた」と証言していた事案について、国有地払い下げ問題を「森友疑惑の本筋」と表現し「森友疑惑の本筋については、今回、容疑がかかっていない」と疑問を投げた。
要支援児に対する補助金を不正受給したとの詐欺容疑で家宅捜索があったが、本筋での容疑がかかっていないのは「安倍首相の意向の出ているところであります」などと述べた。
籠池氏は「おそらく、本筋の立件になれば、安倍総理夫妻を捜査対象にせざるを得ない(からだと)認識している」との受け止めを語った。
籠池氏は、この国有地払い下げを巡る問題で「大阪地検特捜部の奮起を促したい」と捜査に着手するよう提起した。
また籠池氏は「土地取引の値引きに関しては、私にもわからないことが多い」とし「全容が解明されることを希望する」と語った。
会見で、籠池氏は「昨日、家宅捜索があったが、捜査に最大限の協力をしていく事には変わりない」としたが「安倍総理の会見が終わったのが午後6時40分。(こちらに)特捜が入ってきたのが同じ時間で、関連の保育園に入ってきたのもほぼ同じ時間。我が家に入ってきたのが7時10分くらい。安倍総理の会見が終わって直後に家宅捜査に入ったことには強烈な違和感を持つ。戦前の特高警察を連想させる思いです」と述べた。
同学園が建設を予定していた小学校の名誉校長には一時期、安倍昭恵総理夫人が就任していたことから注目が集まり、加えて、小学校の建設予定地として払い下げられた国有地に想定外のゴミがあったとし鑑定価格より8億円値引きされた。しかし、ゴミは地下3メートル以下に入っていたのか疑問で、8億円値引きの根拠が明確でないなど、疑惑が残ったままになっている。さらに昭恵総理夫人や夫人付き秘書が関わった可能性も払拭されないままになっている。(編集担当:森高龍二)