あなたは子どもを車に乗せるときにチャイルドシートを使っているだろうか。警察庁とJAF(日本自動車連盟)は合同でチャイルドシートの利用率や取り付け、着座状況を調査した。
2017年4月20日~4月30日の期間で全国99ヶ所、1万0673台の6歳未満の子どもが乗っている車両に対して目視あるいは聞き取りによる使用状況確認を行なったところ、チャイルドシートの利用率は64.1%で、昨年の64.2%と比較すると僅かに下がったものの、過去最高の水準。07年度は46.9%だったので、10年間で17.2ポイント上昇し、チャイルドシートは年を追うごとに普及していると言える。
一方、年代別に見てみると1歳未満は87.1%、1歳~4歳は65.6%、5歳は40.9%と、子どもが成長するにつれて使用率が低くなっている。大人用のシートベルトを着用させているというケースも多いが、1歳以上の子どものチャイルドシート着用率を上げることが今後の課題となりそうだ。
また、1歳未満では10%の車で「保護者の抱っこ」、5歳では34%の車で「(シートベルトを着用せず)車両シートにそのまま着座」という状況が判明した。
全国16ヶ所、423シートを対象に行われた取り付け状況調査では、チャイルドシートを使用しているにもかかわらず、正しく使用されていないミスユースは55.4%。半数以上が間違った使い方をしており、多くが腰ベルトの締付け不足であった。他にも座席ベルトの通し間違い、長さ不足、バックルの不適合などが見られた。
全国16ヶ所、634人を対象に行われた子どもの座り方を確認する着座状況調査でも、51%と半数の子どもがしっかりと座れていないという状況が判明。乳児用では体格不適合や、ハーネスの高さ調節間違い、締め付けの不適合などが、学童用では体格不適合や肩ベルトの通し間違いなどが見られた。
以前と比較するとチャイルドシートは普及しているが、中には「保護者が抱っこする」「シートベルトを使っていない」という危険な状況も浮き彫りになった。また、チャイルドシートを使っていても、使い方が間違っている人が半数だった。自分では正しく使えているつもりでも、正しく使えていなければいざという時に子どもが危険な状況になる。大切な子どもの命を守るためには必ずチャイルドシートを設置し、取扱い説明書を熟読して正しく使おう。(編集担当:久保田雄城)