政府はテロ等準備罪処罰法が施行された11日の閣議で「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を受諾する」ことを閣議決定した。また条約を補足する「人身取引議定書」「密入国議定書」「国連腐敗防止条約」についても受諾することを閣議決定した。
岸田文雄外務大臣は11日の記者会見で「国際組織犯罪防止条約は既に187の国と地域が締結している重要な条約であり、条約締結は関連する国連の決議やG7/8サミットにおいても繰り返し要請されてきたところだ」とした。
そのうえで、岸田外務大臣は「2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会を控え、我が国に対する国際社会の注目が集まる中、我が国が国際組織犯罪防止条約を締結し、188番目の締約国になることは大きな意義を有すると考える」との受け止めを示した。
一方、テロ等準備罪処罰法の法案審議中に、国連特別報告者からプライバシー権を担保する文言がないのではないかという質問状についての回答について、外務省は「公開書簡に示された懸念や指摘事項について現在政府内で内容を精査するとともに具体的な対応について検討しているところだ」とし「我が国の取り組みを国際社会に対し正確に説明するべく、書簡の照会事項について、追って、しっかりと我が国の立場を正式に回答する予定だ」とし、11日現在、回答できていないことを示した。(編集担当:森高龍二)