ヴーヴ・クリコ、海底貯蔵プロジェクト、第1回の抜栓で分かったこと

2017年08月02日 18:40

Veuve_Clicquot

ヴーヴ・クリコが2014年から、北欧・バルト海の水深40mに最高品質のシャンパーニュを貯蔵し、本国メゾンセラーで熟成した同じ銘柄のボトルと比較して熟成のメカニズムを読み解く、画期的な実験的プロジェクト

 伝統と最高級のクオリティを保ちながら、 エレガントで遊び心ある商品展開・感性で人々を魅了するシャンパン、ヴーヴ・クリコが2114年から、ある実験的な熟成方法を手がけている。それは、「Cellar in the Sea(セラー・イン・ザ・シー)」だ。

 2014年から2054年までの40年間、北欧・バルト海の水深40mに最高品質のシャンパーニュを貯蔵し、本国フランス・ランスのメゾンセラーで熟成した同じ銘柄のシャンパーニュと味わいの比較を行なうことで熟成のメカニズムを読み解く、画期的な実験的プロジェクトだ。

 プロジェクト開始から3年が経過した今年、現在の熟成状態をチェックするため初めてシャンパーニュを引き揚げ、比較テイスティングが実施された。

 海底で眠らせて長期熟成に供されたのは、ヴーヴ・クリコ・イエローラベル(750mlとマグナムボトル)、ヴィンテージ・ロゼ 2004、ドゥミ・セック。今回引き揚げられた海底貯蔵ボトルとメゾンセラーで貯蔵された両方のシャンパーニュをテイスティングした専門家は、海底で管理されたもののほうが色鮮やかで熟成度も高く、味わいはよりフレッシュで若々しいことを見出したという。どちらの貯蔵方法も優れた成熟環境が確保されているものの、長い成熟期間が想定されるシャンパーニュは光が届かず、常に低い温度に保たれた静穏な深い海の方が、より貯蔵に適していると結論づけたとしている。

 また現在、ボルドー大学で、海底から引き揚げられたサンプルが科学的に解析され、2017年度中には今回のテイスティング結果を裏付けるための新たな分析が書き加えられる予定。

 この前例のない実験「セラー・イン・ザ・シー」を開始するきっかけとなったのは2010年。あるダイバーチームが北欧・オーランド諸島海底に200年以上眠っていた沈没船から、マダム・クリコの存命中に瓶詰された47本のヴーヴ・クリコを発見したことから始まった。

 海底での保存状態がシャンパーニュにとって理想的な環境であったことが功を奏し、200年以上たっても驚くほど品質が損なわれていないことに驚嘆した。そこでヴーヴ・クリコは、光が届かず、常に低い温度に保たれ、静穏な深い海の環境、自然の力を利用する可能性に関心を抱き、熟成プロセスに関する専門的な理解を深めるために、沈没船が発見された地点近くの海中に「オーランド・ヴォールト」と名付けた海底貯蔵庫を建造した。

 バルト海の海底は、塩分濃度が低い(ふつうの海の20分の1)ことに加え、1年を通して水温が常に摂氏4度に保たれるという独特の条件に恵まれている。また、水深40mでは海草がボトルに付着しないため、ワインにヨウ素の風味が含まれることもなく、ワインの貯蔵にとって最も重要な条件が整っていた。

 この実証実験は2054年まで続く。(編集担当:吉田恒)