設置審は加計の獣医学部設置「継続審査」と判断

2017年08月26日 11:01

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文部科学大臣の諮問機関、大学設置・学校法人審議会(設置審)は学校法人加計学園(岡山市)の愛媛県今治市への「獣医学部」新設認可申請に対し、25日、『審査継続』(保留)とした

 文部科学大臣の諮問機関、大学設置・学校法人審議会(設置審)は学校法人加計学園(岡山市)の愛媛県今治市への「獣医学部」新設認可申請に対し、25日、『審査継続』(保留)とした。理由は明らかにしていないが、現状、認可基準を満たしていないと判断した。

 審査継続では通常、これまで10月末頃に改めて判断が示されている。設置審の審査と並行して、9月最終週に召集される予定の臨時国会で、閉会中審査やその後にでてきた新たな事実を踏まえた集中審議により、疑念の深掘りを行い、加計学園関係者を招致のうえで、国民が抱いている疑念を詳らかにすることを期待する。

 今回の国家戦略特区での獣医学部認可は来年4月に開設できることが、そもそもの条件だった。2015年閣議決定の獣医学部新設4条件をクリアしていること、あわせて2017年4月開設の条件があって、京都産業大学は新設を残念した。2017年4月開設をクリアできないのであれば、振り出しにすべきだろう。

 今回の保留から10月末に結論が出ず、11月末、12月末になることもあるのだろうか。遅くとも11月には学生募集要項を学生に示し、募集を掛けることになるはずだが、国民からすれば「加計学園ありき」で国家戦略特区が悪用されたということがなかったのか、この疑念部分をこそ、まず、クリアにし「行政が歪められたことはなかったのか」疑念を払拭して頂きたい。

 民進党の加計学園疑惑調査チームは25日の「継続審査」(保留)を受けて、文科省など担当者からのヒアリングを同日、急きょ開いた。そこでは今治市が37億円の土地を提供し、今治市と愛媛県で最大96億円の補助金(税金)を使うことを踏まえれば、加計学園が建設業者を随意契約で選定したことにも問題がないのかが、新たに提起された。地方税が投入されるのに、一般競争入札でないのであれば問題ではないのか、との指摘だ。

 研究棟を巡ってはワインセラーの設置(設計業者の当初の提案計画で最上階にワインセラーが設けられたが、学園内の精査で現在の計画にはない=加計学園)の有無、設置審へ申請時の図面では外されているのか、坪単価が高いとの指摘があるが、設計図から妥当な単価になっているといえるのか、バイオハザードのリスクが指摘されているが、設計上、完璧にクリアされているといえるものになっているのか、専門家らが図面から指摘する疑問点についても、客観的な答えが示されることが求められている。

 民進党の山井和則国対委員長は「今回、保留になったことには非常に大きい意味がある。半年以上前から問題じゃないかと言われ、国会でも大問題になっているのだから、申請する以上、一発で通る(認可される)計画にするはず。にもかかわらず、保留になった。熟度が低いのではないか。臨時国会でも大きなテーマにならざるを得ない」と疑問点の解明を図る姿勢を強く示した。疑念払拭にむけ野党としてのチェック機能を発揮頂きたい。(編集担当:森高龍二)